1994 Fiscal Year Annual Research Report
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06454045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 清 東北大学, 農学部, 助教授 (00005654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 貞二 東北大学, 農学部, 助手 (70155844)
後藤 雄佐 東北大学, 農学部, 助手 (80122919)
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Keywords | 穎果 / 登熱 / 分げつ / イネ / 節間伸長 / 休眠 / 植物ホルモン / 発育制御 |
Research Abstract |
1.幼植物の発育制御:いくつかの品種では,暗条件下の生長において,見かけ上,幼芽の発育が休眠し中茎だけが伸長する個体が多く存在した.これは,深播きに対する適応的な出芽形態であると推測された.この発育パターンの制御には,無機イオンや植物ホルモン(アブシジン酸等)が関与していることが示唆された.今後,これらの相互関係を検討する予定である.2.分げつの発育制御:分げつ期の個体を対象に,種々の深水処理を行い,分げつ芽と分げつの生長過程を調べた.無処理では全ての個体で分げつが出現した分げつ位でも,深水処理により30〜70%の個体で分げつが,見かけ上,休眠していた.それらは分げつ芽の段階で生長が止まっていたが,その多くはプロフィルが2〜6cmにまで伸びており,数mmの大きさで休眠する生殖生長期の分げつ芽の休眠とは,その状態が明らかに異なっていた.今後,これらの点をさらに比較検討したい.3.茎の発育制御:栄養成長期の浮稲の茎の発育相について調査を行った.その結果,深水処理や給水制限処理は相の転換の時期には影響を与えなかった.しかし,植物ホルモン(ジベレリン)処理あるいはその生合成阻害剤処理によって相転換の時期が明らかに影響を受けることが認められた.今後,組織,細胞レベルから検討する予定である.4.穎果の発育制御:穎果の発育は,胚乳にデンプンを活発に蓄積する前の,ごく初期の段階(lag phase)で遅延する事が知られている.植物ホルモン類を穎果に直接滴下して調査した結果,この初期発育はアブシジン酸処理によって制御されることが認められた.一方,サイトカイニン(ゼアチン)を水耕液に混入し,連続処理した結果,弱勢な穎果の初期発育は明らかに促進され,初期発育促進にはサイトカイニンが関与していることが示唆された.しかし,一部,再現性に問題があるので,継続して検討する必要がある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 渡辺 肇: "イネのMC個体の出葉に及ぼすABA,カリウム,フシコクシンの影響" 日本作物学会紀事第198回講演会要旨・資料集. 63巻. 223-224 (1994)
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[Publications] 前山 薫: "イネの1穂穎花数及び1穂稔実粒数の制限が穂首節間の伸長に及ぼす影響" 日本作物学会紀事第198回講演会要旨・資料集. 63巻. 273-274 (1994)
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[Publications] 前山 薫: "イネの生殖生長期の節間伸長の解析-ジベレリンおよびその生合成阻害剤処理による解析" 日本作物学会紀事第199回講演会要旨・資料集. 64巻. 発表予定 (1995)
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[Publications] 桐生 進: "浮稲の栄養成長期の茎の発育相の転換" 日本作物学会紀事第199回講演会要旨・資料集. 64巻. 発表予定 (1995)