1996 Fiscal Year Annual Research Report
未利用資源としてのハダカイワシ科魚類の生態学的研究
Project/Area Number |
06454096
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 弘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40013586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 周平 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (70134658)
藤本 健四郎 東北大学, 農学部, 教授 (00005620)
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Keywords | ハダカイワシ科魚類 / 未利用資源 / 脂質組成 / ワックス成分 / 分布パターン / 日周鉛直移動 |
Research Abstract |
資源生物学的知見: 生物量の豊富さを考慮し、対象魚種を親潮域と移行域に生息する13種にしぼり資源情報として最も基本的な生息深度・日周鉛直移動のパターンを各層採集により調査した。13種は日周鉛直移動の様式から、 1.日周鉛直移動を行わない種‥‥セッキハダカ、ミカドハダカ、オオメハダカ 2.日周鉛直移動を行う種‥‥ナガハダカ、ホクヨウハダカ、アラハダカ、トドハダカ、オオクチハダカ、スイトウハダカ、カガミハダカ、イサリビハダカ 3.一部の個体のみが夜間浮上する種‥‥コヒレハダカ、マメハダカ に分類できる。それぞれの種は固有の生息深度と適応水温範囲をもつことを示し、複雑な海洋構造をもつ移行域での分布様式を明らかにし、各種を漁獲する際の知見を得た。 食品・利用化学的知見: 1.親潮域・移行域・黒潮域のハダカイワシ科魚類20種の脂質組成とその特徴を明らかにした。 2.従来問題とされてきたワックス含量については、亜寒帯海域のセッキ、コヒレ、ミカドの3種が脂質の90%以上を占めるワックスを含むことを明らかにした。 3.ワックスを含む種は、日周鉛直移動を行わない種に多く、ワックスは浮力獲得のための適応と考えられる。 4.他の17種は、トリグリセリドを主とした一般有用魚と大差ない脂質組成を示し、食用または家畜飼料の材料として問題がないことを明らかにした。 5.ワックスは、生体内で合成されることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Seo,Hwan-Sook: "Characterization of lipids in myctophid fish in the subarctic and tropical Pacific Ocean" Fisheries Science. 62. 447-453 (1996)
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[Publications] Seo,Hwan-Sook: "Denaturation of myofibrillar protein in myctophid fish during refrigeration and freezing storage" Fisheries Science. 63. 654-655 (1997)
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[Publications] Seo,Hwan-Sook: "Wax ester synthesis by hepatopancreas of myctophid fishes" Fisheries Science. 63(submitted).
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[Publications] Watanabe,Hikaru: "Diel vertical distribution patterns of the myctophid fishes in the subarctic and transitional waters of the western North Pacific" Fisheries Oceanography. (submitted).
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[Publications] Watanabe,Hikaru: "Comparison of the catchabilities of Maruchi A net and ORI neuston net" Bulletin of the Japanese Society of Fisheries Oceanography. (submitted).