1995 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜のVFAによるGH分泌抑制機構の細胞生理学的解明
Project/Area Number |
06454111
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助教授 (60091831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野 顕彦 東北大学, 農学部, 助手 (80156249)
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Keywords | GH / VFA / ソマトトロフ / カルシウム電流 / カルシウムチャネル / ヤギ / GRF / GHRP |
Research Abstract |
GRFやGHRPといったGH分泌刺激因子に対して十分に反応し、VFAの分泌機構解明に使用できる培養ヤギ下垂体前葉細胞を用いて、以下の結果を得た。 1.前葉細胞に存在するカルシウム・チャネルの性質を検討した結果、GRF刺激によって開くヤギ・ソマトトロフの主なカルシウム・チャネルは、膜電位依存性のL型カルシウム・チャネルであることが示された。 2.VFAのGRF刺激GH放出抑制効果を検討した結果、VFA(酢酸、プロピオン酸および酪酸、10mM)は、GRF刺激によるGH放出増加を有意に抑制した。 3.VFAの膜電位依存性カルシウム・チャネルに及ぼす効果を、ホールセル・クランプ法を用いて電気生理学的に解明した結果、以下のような結果を得た。 1)細胞内電位を5mVずつステップ状に脱分極し、細胞内電位を約20mV前後にすると、急激に内向き電流が増大し、続いて、外向き電流が増大した。 2)内向き電流は、ナトリウム・チャネルの抑制薬であるTetrodotoxinの投与で影響を受けなかったが、カルシウム・チャネルの抑制薬であるNifedipineの投与で完全に消失した。この結果から、内向き電流は、カルシウム・イオンの細胞内への流入によって起こることが示された。 3)酪酸の添加は、Nifedipine投与の場合と同様に、内向き電流を完全に抑制した。この抑制効果は、オレイン酸の投与でも認められた。 以上の結果から、VFAはGRF刺激によるGH放出増加を抑制すること、その細胞内機序として、VFAがソマトトロフの膜電位依存性L型カルシウム・チャネル活動を選択的に抑制する結果、GRF刺激時の細胞内カルシウム・イオン濃度増加が抑制される可能性が考えられること、が示された。
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