1994 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化・血栓形成に関与する環境要因・遺伝要因の疫学及び分子生物学的研究
Project/Area Number |
06454234
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50143178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 和子 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60110508)
原田 勝二 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60086618)
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50223053)
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Keywords | 血漿フィブリノーゲン / 疫学研究 / 心筋梗塞 / 環境要因 / 遺伝要因 / DNA多型 |
Research Abstract |
1.血漿フィブリノーゲン値の測定を、従来から循環器疾患の疫学研究を継続実施している3農村住民(秋田、高知、茨城)、大阪近郊住民、大阪勤務者の40〜69才の男子5242人、女子5411人について行い、すでに明らかにされた循環器疾患の他の危険因子や、環境要因との関連を検討した。 その結果、血漿フィブリノーゲン値と正の相関の認められたのは、年金、喫煙習慣と量、血清総コレステロール、血圧であり、負の相関が認められたのは、血清HDL-コレステロール、飲酒習慣と量、魚介類摂取であった。魚介類摂取との負の相関・喫煙との正の相関は他の要因の影響を調整した多変量解析においても有意であった。 2.ミネソタ大学との共同研究により、日本人(秋田住民)、米国人(ミネソタ白人)の間で、血漿フィブリノーゲンβ鎖DNAの多型について、男女各75人づつを調査したところ、米国人は日本人に比べ、B2 allele、H2 allele、Hd 2 alleleの頻度が何れも有意に高いことが分かった。また、米国人では、B2 allele、H2 allele、Hd 2 alleleを有する遺伝子型は有しない遺伝子型に比べて、血漿フィブリノーゲンの平均値が有意に高値を示し、日本人でも同様の傾向を示すことが認められた。 3.冠動脈造影により確定された大都市住民の急性心筋梗塞患者169人(男子135人、女子34人)と性、年齢をマッチさせた健常対照者(大都市住民の循環器検診受診者より抽出)の間で症例・対照研究を行った。その結果、心筋梗塞の症例では対照に比し、血漿フィブリノーゲン値、血清総コレステロール値、高血圧者の割合、喫煙率が高く、血清HDLコレステロール値が低かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 磯 博康 他 6人: "フィブリノーゲンβ鎖のDNA多型と血漿フィブリノーゲン値に関する日米共同研究" Journal of Zpilcuieogy(Suppl). 4(1). 1・3-114 (1994)
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[Publications] 佐藤 眞一 他 12人: "心筋梗塞の危険因子としての血漿フィブリノーゲン値に関する症例・対照研究" Journal of Zpilcuieogy(Suppl). 4(1). 79-80 (1994)