1995 Fiscal Year Annual Research Report
Xe-CTとSPECTを用いた感情障害の局所脳血流に関する基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
06454328
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
樋口 輝彦 昭和大学, 医学部, 教授 (90105883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 逸朗 群馬大学, 医学部, 助手 (50251103)
大嶋 明彦 昭和大学, 医学部, 助手 (80276526)
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Keywords | Xe-CT / 局所脳血流量 / 感情障害 / イオマゼニール |
Research Abstract |
本年度は平成6年度にひきつづき、臨床研究として、感情障害患者を対象にstable Xe^-CTを施行した。平成6年度の症例も一部含めて大うつ病11例、双極性障害6例、計17例を正常対照10例と比較した。検討脳部位は前年度と同様、左右計14部位である。まず、14部位の合計から算出した総脳血流量を大うつ病と双極障害を合わせた感情障害群と対照群で比較したところ、感情障害群で有意な低下を確認した。左右差については感情障害群、対照群共に認められなかった。以上の結果は年齢をマッチさせた群間比較においても同じ傾向を示した。局所脳血流に関しては、感情障害群の右前頭部、左右の前中心部、右側頭部で対照群に比して有意な低下を認めた。大うつ病では右前頭部、左右前中心部で低下し双極性障害では右側頭部でのみ低下していた。治療により改善を得た症例(6例)について治療前後の局所脳血流を比較したところ右尾状核と左被殻で治療後、有意の増加が見られたが、低下部位の増加はみられなかった。これまでの検討はすべて安静時に行ったものであるが、個体差を考慮すると安静時のみの検討では不十分である。そこで、脳血流を増加させる負荷を行って、安静時との差、すなわち変化量を求める方がより理論的と考えられた。そこで、現在、負荷条件の検討を開始しており、これが確立された段階で再度、患者を対象に変化量の検討を行う予定である。基礎研究に関してはラットを用いて放射性のイオマゼニールを用いたオートラジオグラフィー法による検討を行った。この方法により、ストレス負荷あるいは抗うつ薬の脳血流あるいは脳の神経伝達物質受容体に及ぼす影響を検討できる見通しが得られたので、次年度において実験結果を総合的に検討できることになった。
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