1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 洋一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
中島 淳 東京大学, 医学部(病), 医員
松橋 信行 東京大学, 医学部(病), 助手 (10221590)
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Keywords | コレステロール / マクロファージ / 動脈硬化 / リポ蛋白 / 接着因子 / エンドトキシン / 蛋白工学 |
Research Abstract |
マクロファージのスカベンジャー受容体は、変性LDLの取込みから泡沫細胞形成に関与するとともに、マクロファージのEDTA抵抗性の接着因子の正体であることが明らかとなってきた.平成6年度は、この接着と異物取込みという2つの機能をどのようにはたしそれが動脈硬化の発症にどう関与しているかの解析をすすめスカベンジャー受容体のノックアウトマウスの樹立などおおきな進展を見ている. (1) スカベンジャー受容体欠損マウスの樹立とその解析 ES細胞を用いた相同組み替えによりスカベンジャー受容体ノックアウトマウスが樹立され、そのヘテロ、ホモの解析を進めた.ホモ欠損マウスも成長、発育にはおおきな障害はなかった.アセチルLDL、酸化LDLの取込みは正常の1/3以下に低下し、さらにバクテリアのエンドトキシンのLPSのPI-PLC抵抗性の結合の大幅な低下がありCD14非依存の結合がスカベンジャー受容体によることが証明された.糖尿病の臓器障害への関与の注目されているAGEの結合も正常の1/3以下となっていることが判明し、スカベンジャー受容体が予想以上の広範な異物処理に重要であることが判明した.さらにこの欠損マウスでは腹腔マクロファージの分布などにおおきなちがいがみられ検討中である. (2) スカベンジャー受容体のリガンド結合機構 スカベンジャー受容体のコラーゲンドメインのリガンド結合部分の合成3量体ペプチドを合成し、それとLDLの主要構造蛋白のアポBの合成ペプチドおよびその変性修飾体の結合機構を解析した.その結果、合成リガンド結合ドメインは、アセチルLDLや酸化LDLとの結合活性を示した.変性LDLとスカベンジャー受容体の反応の分子機構の解析をこれらを用いて進めている. (3) スカベンジャー受容体の細胞接着作用 マクロファージのEDTA抵抗性の接着を阻害する2F8抗体の抗原がスカベンジャー受容体であることが示され、その結合部位同定のため、マウススカベンジャー受容体のC端側欠損変異体を作成し検討した.その結果2F8結合部位はロイシンジッパー様の構造部分であることがわかった.この接着作用は血清因子依存性であり現在その因子を同定中である.
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[Publications] Y.Kawabe,T.Kodama,et al: "The molecular mechanism of the induction of the low density lipoprotein receptor by chenodeoxycholic acid in cultured human cells" Biochem.Biophys.Res.Comm.(in press). (1995)
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[Publications] T.Mori,T.Kodama,et al: "Endocytic pathway of scavenger receptor vi trans-Golgi system in bovine alveolar macrophages" Lab.Invest.71. 409-416 (1994)
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[Publications] T.Doi,T.Kodama,et al: "The histidine interruption of an α-helical coiled coil allosterically mediates a pH dependent ligand dissociation from macrophage scavenger receptors" J.Biol.Chem.268. 25598-25604 (1994)
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[Publications] Y.Kawabe,T.Kodama,et al: "Sterol mediated regulation of SREBP-1a,1b,1c and SREBP2 in cultured human cells" Biochem,Biophys.Res.Comm.202. 1460-1467 (1994)
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[Publications] J.Luoma,T.Kodama,et al: "Expression of a2-macroglobulin receptor/low density lipoprotein receptor related protein and scavenger receptor in human atherosclerosis" J.Clin.Invest.93. 2014-2021 (1994)
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[Publications] Y.Kurihara,T.Kodama,et al: "Disruption of mouse endothelin-1 gene results in lethality and craniofacial anomaly in homozygotes and elevated blood pressure in heterozygotes." Nature.368. 703-710 (1994)