1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454355
|
Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹下 研三 鳥取大学, 医学部, 教授 (90037375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前岡 幸憲 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (30273890)
赤星 進二郎 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (90231810)
山本 俊至 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20252851)
難波 栄二 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40237631)
|
Keywords | 脳形成 / 脳奇形 / 脳形成不全 / 脆弱X症候群 / プラダー・ビリ-症候群 / 神経成長因子 |
Research Abstract |
脳形成不全には、水頭症など外見からすぐ判断のつく場合から、無脳回症、などMRIなどの画像検査から診断のつくもの、さらに、プラダー・ビリ-症候群などのように遺伝子を利用した方法などからしか判断のつかない場合まである。研究は、まずこれらの疾患の臨床遺伝学的、遺伝疫学的な面から研究を開始した。これまで、ダウン症候群、Eトリソミ-、Dトリソミ-、結節性硬化症、筋ジストロフィー症などについては、山陰地方における疫学調査から日本人における発生頻度、遺伝子頻度、突然変異率などについて報告を行い、また、それらの生存率、成長パターンなど種々の内容についても臨床分析を行ってきた。 本研究においても、さらにプラダー・ビリ-症候群、脆弱X症候群などの頻度に関する報告を行った。プラダー・ビリ-症候群は、染色体15q11-13の遺伝子異常による精神遅滞を合併する奇形症候群であるが、日本人における頻度は、6.64×10^<-5>、出生約15,000人に1人の割で発生している。遺伝子頻度は、1世代当たり3.32×10^<-5>と推定された。性差はない。脆弱X症候群は、X染色体長腕末端部Xq28における脆弱性により生じるものであり、同部位の原因遺伝子FMR-1の5'非翻訳領域での3塩基繰り返しの延長を特徴とする。その延長の内容は欧米におけるそれと同じであったが、発生頻度は日本人において明らかに少ない結果であった。神経系と免疫系には多くの共通点があり、脳の形成にも関与する。共通蛋白として神経成長因子に注目し、原因不明の発達障害について脳脊髄液から神経成長因子を測定した。結果は髄膜炎や急性脳症において上昇が確認された。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] Nanba E,et al.: "Non-radioactive DNA diagnosis for fregile X syndrome in mentally retarded Japanese males." Brain & Development. 17. 317-321 (1995)
-
[Publications] Ehara H,et al.: "Frequency of the Prader-Willi syndrome in the San-in district,Japan" Brain & Development. 17. 324-326 (1995)
-
[Publications] Hara T,et al.: "Human Vδ2^+γδT-cell tolerance to foreign antigens of Toxoplasma gondii." Proc.natl.Acad.Sci.93. 5136-5140 (1996)
-
[Publications] Nanba E,et al.: "Prenatal diagnsosis of congentital myotonic dystrophy in two Japanese families." Brain & Development. 18. 122-126 (1996)
-
[Publications] Nishino I,et al.: "A novel mutation in the mitochondrial tRNA gene associated with a mitochondrial encephalopathy" Biochem Biophys Res Commun. 225. 180-185 (1996)
-
[Publications] Suzaki I,et al.: "Nerve growth factor levels in cerebrospinal fluid from patients with neruologic disordersw" J Child Neurol. 12(in press). (1997)
-
[Publications] Yamamoto T,Hara T,Takeshita K.: "Quantitative and qualitative abnormalities of peripheral T cells in neurologic disorders" Pediatric Neurology. 11. 142 (1994)
-
[Publications] Tohyama J,Nanba E,Ohno K.: "Hypoxanthine-guanine phosphoribosyl-transferase(HPRT)deficiency." Human Genetics. 93. 175-181 (1994)
-
[Publications] 竹下研三: "脳と行動" 中山書店(新医科学体系), 371 (1994)
-
[Publications] 竹下研三: "脳機能の解明" 創風社(赤池紀扶.小暮久也 編), 486 (1994)