1995 Fiscal Year Annual Research Report
食堂癌放射線療法感受性判定法としての癌関連遺伝子の応用
Project/Area Number |
06454379
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
磯野 可一 千葉大学, 医科部, 教授 (70009489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 進 千葉大学, 医学部, 助手 (50234828)
小出 義雄 千葉大学, 医学部, 助手 (80201482)
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Keywords | 食道癌 / p53 / PCR-SSCP / 放射線療法 / CIP1 / WAF1 |
Research Abstract |
今年度も昨年に引き続き、PCR-SSCP法により、食堂癌切除標本よりphenol/chloroform法にてDNAの抽出を行い、p53遺伝子の点突然変異を検出した。また放射線治療を含め、治療前の食堂癌に対する内視鏡検査時、癌部ならびにルゴール非染部より生検を行い、これらよりphenol/chloroform法を用いDNAを抽出し、さらにPCR-SSCP法にてp53遺伝子の点突然変異の検出を行った。 食堂癌切除標本からのRNAの抽出はCsCl+超高速遠心法(ベックマン社製Optima TL)にて問題なく可能である。また、Vogelsteinらは野性型p53はcdk binding proteinであるCIP1/WAF1の発現を誘導し、細胞増殖の制御を行っていると報告しており、今年度は、p53の遺伝子変異とともにこのCIP1/WAF1のmRNA発現をNorthern blot hybridizationにより検討したが11例中6例で非癌部に比較し癌部における発現の減弱がみられた。 また、1985年より1994年の期間に千葉大学第二外科において切除された食道癌症例42例を対象として、パラフィンブロックよりDNAを抽出し、PCR-SSCP法により、p53遺伝子の遺伝子変異を検出した。14例に遺伝子変異が検出され、このp53遺伝子の遺伝子変異検出群は非検出群に比較し、その5年生存率は有意に不良であった(p<0.05)。しかし、今回の検討ではp53遺伝子の遺伝子変異非検出例が放射線感受性ありという結論は得られなかった。
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