1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454606
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浜口 秀夫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00091918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 公子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90215319)
有波 忠雄 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10212648)
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Keywords | 精神分裂病 / ドーパミンD2受容体 / 候補遺伝子解析 |
Research Abstract |
(1)変異型D2受容体D2 Cys311のin vitro実験 D2受容体遺伝子のshort form(D2B)型cDNAをCOS7とCHO細胞にリン酸カルシウム法を用いて感染させ、一過性に発現させた後、各種抗精神病薬を用いて細胞膜標本との親和性を調べた。さらに、dopamine前処置後のdown regulationを解析した。その結果、各種リガンドのKi値はhaloperidol,bromperidol,clozapine,sulpiride,dopamineで有意差はなかった。また、down regulationについても顕著な差は認められなかった。 (2)D2 cys311変異と精神疾患との関連についてさらに例数を増やして検討した。 分裂病患者292人、コントロール579人を対象とした。患者は、福島県、関東地方、長野県の病院にて治療中であった。患者は、性、年齢、発症年齢、家族歴、同胞数、子どもの数、婚姻歴、発症時および検査時の病型と症状評価、入院歴、経過、治療薬歴について検討した。症状評価はManchester Scaleを用いて行った。研究計画は東京医科歯科大学、筑波大学倫理委員会の承認に基づいて文書にて同意を得られた患者のみを対象に行った。その結果、Cys311をコントロールは4.2%の人が、分裂病患者群全体では8.5%の人が持っており、分裂病群の方が有意に頻度が高かった。患者を陰性症状の有無で分けた場合、陰性症状のない分裂病患者では、14.3%(福島)〜37.5%(長野)の人がこの変異を持っており、いずれの地域においてもCys311を持っている患者が有意に多かった。一方、陰性症状を持っている分裂病患者ではCys311はコントロールとほぼ同じ頻度であった。陽性症状では差はなかった。一親等親族に分裂病のいる患者では長野地方で20%の患者がCys311を持っており、有意に多かったが、他の地域ではコントロールと有意の差はなかった。
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[Publications] Arinami,T.: "Association of dopamin D2 receptor molecular variant with Schizophremia" Lancet. 343. 703-704 (1994)
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[Publications] 有波 忠雄: "D2レセプターの遺伝子解析" 日本神経精神薬理学雑誌. 14. 129-137 (1994)