1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454675
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鮎沢 大 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (00142109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 利憲 広島大学, 医学部, 教授 (60012746)
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Keywords | 細部老化 / 細部不死化 / 細胞老化遺伝子 / 7番染色体 / 情報伝達 / 遺伝子マッピング |
Research Abstract |
7番染色体の一部を含むマウス放射線雑種細胞パネルを作成し、ヒトDNAを約2Mbしか含まず、かつ相補性群Dに属する不死化細胞株の老化を誘導するクローンを数個分離した。これらのクローンが実際に細胞老化遺伝子を含むかどうか、いくつかの細胞老化マーカーを用いて検定した。ついで、これらのクローンから回収したAluPCR産物をプローブとしてFISH解析を行ったが、反応産物が短く、またAlu配列に富むため、バックグランドが高く、特異的なシグナルの検出が困難であることが判明した。また、信頼性の高いファージベクターを用いてヒトDNAを回収し、それをプローブにしてFISH解析を行ったが、明確な結果が得られなかった。一方、7番染色体長腕に関し、YACコンティグが完成されており、豊富な(約1,000個)のSTSマーカーが用意されている。これらのPCRプライマーをカナダから入手し、ヒトDNAの染色体上の位置を数百Kbレベルで正確に決定する作業を開始した。すでに予備的実験によって、正確なマップができることが確認されている。 細胞老化の誘導を阻止するプロテインキナーゼ阻害剤の細胞内標的を検出しようといろいろ試みたが、成功しなかった。そこで、阻害剤をリガンドとしてアフィニティークロマトグラフィーを展開し、SDSゲル電気泳動、抗ホスホセリン抗体を用いたウェスタンブロット解析を行ったところ、細胞老化の誘導に伴って量的変動を示す蛋白質成分を見いだすことはできなかったが、リン酸化の変動を示す成分をいくつか見いだした。これは、細胞老化の情報伝達系を解き明かす上で、大きな収穫であった。今後、精製および部分アミノ酸配列の決定を経て、遺伝子を解析したい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Ogata et al.: "Genetic complementation of the immortal phenotype ingroup D cell lines byintroductionofchromosome7" Jpn.J.Cancer Res.86. 35-40 (1995)
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[Publications] M.Fujii et al.: "Inhibitors of cGMP-dependent protein kinase block senescence induced by inactivation of T antigen in SV40-transformed immortal human fibroblasts" Oncogene. 11. 627-634 (1995)
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[Publications] M.Fujii et al.: "Expression of the human cGNP-dependent protein kinase typeII gene is lost upon introduction of SV40T antigen or immortalization in human fubroblasts" FEBS letters.375. 263-267 (1995)
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[Publications] T.Nakamura et al.: "Cyclin I:a new cyclin encoded by a gene isolated from human brain." Exp.Cell Res.211. 534-542 (1995)
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[Publications] M.Yamauchi et al.: "Isolation of human pur H gene exprssed in the rodent transformed cells by subtractive enrichment of 3^-untranslated region of human transcripts" DNA Research.1. 269-275 (1995)
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[Publications] 中林一彦、鮎沢大: "細胞老化遺伝子のマッピング" 蛋白質核酸酵素. 41. 237-244 (1995)
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[Publications] 鮎沢大: "ヒト細胞の老化、不死化、癌化" 共立出版, 11 (1996)
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[Publications] 鮎沢大、中林一彦: "Molecular Medicine" ヒト細胞の老化と不死化, 8 (1996)