1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06455005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 陽一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40012504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 雅明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20260523)
小林 信一 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教授 (90186742)
廣松 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80012491)
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Keywords | 生涯学習 / ドクターコース / 大学院 / 科学技術 / 人材養成 / リカレント教育 / 社会人入学 / 博士 |
Research Abstract |
1.文献研究 カリキュラム分析・実態調査の基礎知見を得た。その成果の一部は、村上著「科学者とはなにか」で公にされている。 2.カリキュラム分析 国内カリキュラム資料収集(ドクターコース設置の日本の全大学事務局255件)を行い、特に社会人学生の入学システム及びカリキュラムについて整理分析を行った。その結果、入試においては、社会人学生に対する特別な措置が取られることが多いが、特別なカリキュラムを設けている事例は少なかった。 3.実態調査 国内カリキュラム資料収集と同時に(ドクターコース設置の日本の大学院全研究科659件)にその教育実践に関するアンケートを行った。その結果は、おおむね以下のようにまとめられる。 まず、ドクターコースのあり方及び社会人学生に対する取り扱いが、分野によって大きく異なっていることが判明した。若年層のイニシアル教育が中心で社会人は論文博士で学位取得することが多い工学系、論文博士が中心で課程博士はそれを補完する役割となっている医学系、現職者と若年者の区別を特に行っていない薬学系など、その傾向が明らかになった。人文社会科学系においては、ビジネススクールを除くと、ドクターコースにおける社会人に対して特別な配慮を示す大学は、まだ少数である。というのも、多くの場合、それらドクターコースは研究者養成を目的としていて、学生の年齢や社会経験によって教育方法をそれほど変える必要がないと認識されているからである。ただ、文系理系の分野を問わず、学校差が少なからず見られた。 さらに、いわゆる社会人学生は、企業人が時間的制約を受けているという問題のほかは、おおむね従来型の学生より優秀もしくは同等の能力を持っているとの回答が数多かった。 なお、社会人学生の勉学上の問題は、多くの場合、指導教員による個別指導で対応していることが、判明した。
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