1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06554016
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 真 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70236404)
岡野 章一 国立極地研究所, 超高層物理学, 教授 (10004483)
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Keywords | 惑星大気 / レーザーヘテロダイン分光法 / 赤外分光観測 |
Research Abstract |
平成7年度は1995年9月と1996年1月に宇宙科学研究所の三陸大気球観測所において光学オゾンゾンデによる成層圏オゾン観測を実施した。まず9月の実験では1機の気球実験を実施した。これまでに得られたデータの詳しい検討から、気球が膨張したときに気球表面で反射された太陽光が測定に悪影響を及ぼしていた可能性が指摘された。そこでこのときの実験では気球の下端から光学オゾンゾンデまでの距離をこれまでの2倍の100mとし、さらに気球が拡散板の視野に入ることを防ぐために拡散板の上方2mの位置に直径60cmの黒い円盤を置いた。また過去の実験では光学オゾンゾンデの姿勢が大きく傾いたときに姿勢変化補正の誤差が大きくなることがあった。これは拡散データによる太陽光の拡散・吸収特性が入射角が90度に近いときに波長によって異なることが原因であることが室内実験の結果判明した。そこで今回の実験では前もって拡散板の波長依存性を実験室で精密に測定した。これらの改良の結果、9月2日に光学オゾンゾンデ観測を実施し、地上から高度42.6kmまでこれまでにない高いS/Nでデータを得ることができた。1996年1月及び2月には国立環境研究所、気象研究所、名古屋大学、東北大学などが中心となってオゾン層の集中観測が実施された。東北大学は光学オゾンゾンデを用いて三陸でオゾン層の観測を行った。これまでオゾンゾンデによる冬期上部成層圏オゾンの直接観測は国内ではなされていなかったので、今回が初めての実験となった。1月27日に第1機目を放球したが、地上付近の強風のため気球が地面と接触し、高度23.6kmまでしか上昇せず、この高度までのデータしか得られなかった。翌28日に第2機目を放球し、予定通り高度41.0kmまで良好なデータが得られた。現在、これまでの観測で得られたデータについて詳しい解析を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡野章一、岡林昌宏、H.Gelnandt: "Observation of ozone profiles in the upper stratosphere at Ny-Alesund using a UV sensor on board a light weight high altitude balloon" International Symposium on Environmental Research in the Arctic. (in press). (1995)
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[Publications] 岡林昌宏、H.Gernandt、岡野章一、田口真、福西浩: "Observations of ozone in the Arctic upper stratosphere by optical sensors on board BT-5 balloons" 地球電磁気・地球惑星圏学会第98回講演会. (in press). (1995)
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[Publications] 岡林昌宏、岡野章一、H.Gelnandt、田口真、福西浩: "高高度気球による北極圏及び日本上空上部成層圏オゾン観測" 大気圏シンポジウム. (in press). (1995)
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[Publications] 岡林昌宏、岡野章一、H.Gelnandt、田口真、福西浩: "光学オゾンゾンデによって観測された1995年の三陸及びスピッツベルゲン上空成層圏オゾン高度分布" 地球惑星科学関連学会1996年合同大会. (in press). (1996)