ロシアの地磁気データ取得・伝送方式の改善とAE指数算出迅速化の研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06554018
• Research Category: Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 荒木 徹 京都大学, 理学部, 教授 (50025433)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 竹田 雅彦 京都大学, 理学部, 教務職員 (30236484) ; 亀井 豊永 京都大学, 理学部, 助手 (10233967) ; 家森 俊彦 京都大学, 理学部, 助教授 (40144315)
• Keywords: 地磁気指数 / 太陽風 / 磁気圏 / データ伝送 / ロシア

Research Abstract

京都大学理学部地磁気世界資料解析センターが算出しているAE(オーロラエレクトロジェット)指数は,太陽風から磁気圏へのエネルギーの流入を表すパラメーターとして重要な地磁気指数であり、世界中の研究者がその早期配付を望んでいる.しかし,それに必要なロシア4地磁気観測所のデータ取得・送付に問題があり、算出が大幅に遅れている。本研究は、これらロシアの観測所のデジタル化と衛星経由データ伝送により、この指数算出の加速をはかる事を目的としている。
初年度の研究経過は下記の通りである。
1.日本の気象衛星「ひまわり」によるロシア地磁気データ伝送の準備を進めた。これは、米、英、仏、加4国の主導で数年前から始まったINTERMAGNET計画(衛星・回線経由で地磁気データを収集する国際プロジェクト)の一環として行われる。日本では、上記センターと郵政省通信総合研究所とが協力してこのプロジェクトに参加している。一昨年、「ひまわり」の使用許可を気象庁から得、昨年から亀井が中心になってデータ伝送実験を行ってきた。また、亀井は、データ送信に必要なプログラムを開発して関係国に提供した。
2.フラックスゲート磁力計、プロトン磁力計、データ収集送信装置、スペクトルアナライザーを購入、地磁気テスト観測と検定作業を行った。また、気象庁と郵政省の協力の下で「ひまわり」経由のデータ送信テストを行った。
昨年9月にベルギーで開かれたINTERMAGNET運営委員会に亀井が出席し、ロシアテイクシ観測所へのデジタル磁力計設置と「ひまわり」経由のデータ伝送についてロシア側関係者と協議した。その結果、現地観測所での調査・テスト・技術援助の必要性が明らかになったので、5月に亀井がテイクシー観測所に行って、これを行うことになった。