Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧山 浩国 K. K. 荏原総合研究所, 主任研究員
川野 聡恭 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00250837)
渡部 英夫 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10006190)
庵原 昭夫 山口大学, 教育学部, 教授 (20091655)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (90101138)
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Research Abstract |
平成7年度は,人工心肺装置実用化のための基礎資料を蓄積することを目的として,主として次の実験を行った.すなわち, 1.血液ポンプとして振動流ポンプを用いて,成山羊の左心補助循環慢性実験を行い,生体の血行動態における高周波振動流の影響を調べた.その結果,高周波振動流を用いた補助循環中においても,自然心の正常洞調律が維持され得る可能性が示された.また,振動流の加振効果により,体血管抵抗が減少する傾向が認められたが,血管インピーダンスの検討により,血管壁の運動特性は,ほぼ正常に維持される可能性が示唆された. 2.呼吸不全状態における麻酔下山羊の一側頚静脈より2本のカニューレを上大静脈まで挿入し,一方を脱血,他方を送血として用い,電磁駆動式振動流ポンプを使用した外部潅流型人工心肺による肺機能の代行実験を行った.その結果,健常時の動脈血酸素分圧を維持することができ,使用した人工心肺装置によって肺機能の代行が可能であることが示された. 3.血管,特に肺血管に対して,特定の周波数成分を強調した血流がどのような影響を与えるかについて,成山羊を用いて実験を行い,振動流ポンプを右心補助循環として10,20,30Hzで駆動し,肺血管抵抗と血管特性インピーダンスについて検討を行った.その結果,これまで周波数依存性はないとされてきた肺血管抵抗や血管特性インピーダンスが,周波数依存的に変動する可能性が示唆された. 以上の実験により,開発してきた人工心肺装置の酸素加能が非常に良好であること,従って,本装置の小型化が可能であることが判明した.従って,本年度の当初研究計画は,ほぼ達成できたと考える.
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