1996 Fiscal Year Annual Research Report
スギ材および低質広葉樹材の化学改質-エクステリア用材ならびに家具用材の開発-
Project/Area Number |
06556031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 光夫 九州大学, 農学部, 教授 (80038257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠矢 良太郎 鹿児島県工業技術センター, 木材工業部, 研究員
今村 有成 熊本県林業研究指導所, 林産加工部, 研究参事
平野 吉男 福岡県工業技術センター, インテリア研究所, 技師
堀田 義夫 松栄化学工業(株), 九州工場, 研究員
森田 光博 九州大学, 農学部, 助教授 (30038301)
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Keywords | スギ材 / 低質広葉樹材 / 化学改質 / フェノール樹脂 / エクステリア用材 / 家具用材 / メチロール化フェノール / 耐候性 |
Research Abstract |
過去2年間の検討結果から、スギ材やブナ材などからエクステリア用材や家具用材を開発するための化学処理としてはフェノール樹脂注入処理が、性能およびコストの面からみても、最も可能性が高いと判断した。このフェノール樹脂注入処理をより有効にし、実用化を促進するためには特に良質の注入用樹脂の供給体制を整えることが重要であることがわかった。注入性、作業性および寸法安定化効果の点から注入用樹脂としては「未反応のフェノールおよびホルムアルデヒドを含まないメチロール化フェノール単量体混合物」が理想的であり、この理想に近い樹脂の安価で合理的な製造法を確立することが必要である。また、製品の付加価値を高めるために、処理材の美観を向上させるあるいは保持する塗装などの処理について検討する必要があることがわかった。 そこで本年度は、樹脂の合理的な合成反応操作を確立する目的で、フェノールのメチロール化反応について、5種類のメチロール化フェノール単量体生成の速度定数と活性化エネルギーおよびこれらに及ぼす反応条件の影響を詳しく調べた。また、透明塗装を中心に、樹脂注入材の塗装の耐候性についてDew panel weather meterを用いて調べるとともに、製品を試作して屋外暴露等の試験を行った。さらに、廃材の処理も問題となるので、フェノール樹脂注入材の炭化処理を検討し、生成炭化物の利用として成型物(ボード)の製造、および、粉末状炭化物による気中ホルムアルデヒドの吸着除去を検討した。 これらの検討結果をとりまとめて成果報告書を刊行した。
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