1995 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖を抑制するウシ初乳中の新しいペプチド素材の開発
Project/Area Number |
06556047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 康之 東北大学, 農学部, 教授 (90005637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助教授 (60091831)
須山 享三 東北大学, 農学部, 教授 (70005635)
太田 実 東北大学, 農学部, 助教授 (00005670)
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Keywords | 初乳 / 細胞増殖 / 細胞死 / ペプチド |
Research Abstract |
ウシ初乳中に、ラットL6筋芽細胞(L6)の増殖を抑制するペプチド性物質が含まれていることを申請者は報告している。昨年度、種々の株細胞を用いて検討した結果、マウス線維芽細胞(LM2d6)が、細胞増殖抑制因子に対して最も高感度であることが明らかになった。そこで本年度は、LM2d6細胞を用いて、細胞増殖抑制機構の検討と、この因子の精製を行った。 1.トリパンブルー及びエリスロシンBを用いた色素排除法によって、生細胞数と死細胞数を計数した結果、細胞増殖抑制因子の濃度依存性に生細胞数が減少した。死細胞数は、各濃度で殆ど差がなかった。生細胞数が減少したのに対し死細胞数は差がなかったので、各点における生細胞/死細胞の割合を見たところ、増殖抑制因子の濃度依存性に死細胞の割合が増加し、最も高濃度の100μg/ml添加区では、処理3日目に死細胞の割合が90%にまで達した。このことから、この細胞増殖抑制効果は、細胞死誘導によるものである可能性が考えられる。 2.細胞増殖抑制因子の精製を、イオン交換クロマトグラフィーにより進めた結果、活性が約50倍に上昇した。 今後は、細胞死誘導のメカニズム(アポトーシス、ネクローシス)の検討と、細胞増殖抑制因子の精製をさらに進め、アミノ酸配列の決定を行う予定である。
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