1996 Fiscal Year Annual Research Report
CMLの自家骨髄移植:熱処理によるPh陽性細胞のアポトーシス増強とその選択的除去
Project/Area Number |
06557062
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岸 賢治 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (30186209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 益廣 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90179531)
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Keywords | chronic myelogenous leukemia / autologous graft / in vitro purging / hypertheraic treatment / marrow culture / interferon / AZT / quercetin |
Research Abstract |
同種骨髄移植に代わる慢性骨髄性白血病(CML)の治療法として自己造血幹細胞移植の可能性について研究した。この研究の最も基本となる目標は、患者自身の骨髄および末梢血から正常の造血幹細胞を分離する方法を確立することである。CMLの慢性期では正常の造血幹細胞は非常に少数で、通常の染色体解析では稀に検出されるのみであることが、本研究の問題点である。 これまでの報告では、骨髄長期培養(LTMC)によりCMLの骨髄からPhクローンを選択的に除き、正常の造血前駆細胞を維持することが可能であると言われていた。その成績の追試では実際に正常クローンの発現は多くの症例で困難で、成績の統一性が見られなかった。この点から、臨床的に正常造血細胞を増加させるインターフェロンα(IFN)を添加したLTMCを行った。この結果、LTMCにIFNを添加することにより、正常造血前駆細胞がの比率が増加することを明らかにした。この成績はLTMCの浮遊細胞と付着細胞に由来する個々の前駆細胞由来コロニーを従来からの染色体解析の他、RT-PCR法により検討した。この結果、IFN添加LTMCの付着細胞層に正常造血幹細胞が優位に維持されることが明らかにされた。 正常造血幹細胞とCML由来幹細胞の温熱感受性の違いを更に効率よく行うため、各種薬剤と温熱処理の併用効果について検討した。Ph陽性細胞株、KU812およびK562を用い、AZT・IFN・TNF・quercetinを添加した温熱処理を行った。42℃1時間の温熱処理にIFN(100U/ml)、AZT(0.5mM)、quercetin(50mM/ml)を添加することがCML由来前駆細胞の除去に有効であった。さらに、これらの効果は細胞のアポトーシスによることが示された。 この方法の臨床応用のためには、温熱処理・培養による造血幹細胞の損失を減らすことともに、培養による幹細胞の増幅が必要とされる。
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[Publications] Sato N,Kishi K,et al: "Nephrotic syndrome in a bone marrow transplant recipient with chronic graft-versus-host disease." Bone Marrow Transplantation. 16. 303-305 (1995)
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[Publications] 瀧澤淳、岸賢治、他: "Fanconi貧血と思われる再生不良性貧血に続発した急性骨髄性白血病に親子間同種骨髄移植を施行した1症例." 臨床血液. 36. 615-620 (1995)
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[Publications] 岸賢治: "移植後の合併症とその対策、再発とその対策." 血液・腫瘍科. 31. 284-290 (1995)
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[Publications] 岸賢治、他: "寛解導入療法と骨髄移植における日和見感染症予防の具体的方法とその根拠(新潟大学第一内科一般病棟および無菌室における予防法)" 血液・腫瘍科. 33. 226-231 (1996)
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[Publications] "Second Allogeneic Bone Marrow Transplantation for Post-transplant Leukemia Relapse ; Results of a Survey of Sixty-six Cases in 24 Japanese Institutes." Bone Marrow Transplantation. (印刷中). (1997)
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[Publications] 鈴木訓充、岸賢治、他: "慢性骨髄性白血病における骨髄長期培養では正常前駆細胞は付着細胞層に多く存在する -インターフェロンの効果-" 新潟医学会雑誌. (印刷中). (1997)