Research Abstract |
本年度は一般に入手可能な電動車椅子の特徴的な例について,冬期積雪条件の走破性の試験をに実施し,電動車椅子を冬期間使用することによって生ずる問題点を明らかにし,最も効果的と考えられる動力部の構成を検討した.即ち, [I]既成の電動車椅子冬期積雪条件の走破性の試験: つまり動力機構の異なる A.4輪型,後輪駆動,前輪キャスター型 B.4輪型,後輪駆動,前輪ステアリング型 C.4輪型,前輪駆動,後輪ステアリング型 D.3輪型,後輪(2輪)駆動,前輪(1輪)ステアリング型 上記4種類の電動車椅子を用い,北海道の積雪期間である12月から3月にかけて, (1)圧雪路,(2)アイスバーン路,(3)シャーベット状雪路, での走行試験を行った。 [II]最も効果的と考えられる構成をもつ動力機構による電動車椅子の設計試作: 上記[I]の試験より(1)圧雪路と(2)アイスバーン路では平坦路ではA,B,C,Dとも大差ない結果となった.しかし(3)シャーベット状雪路ではAは走行不能,Bは走行良好,Cは走行可能,Dは走行良好となった。特にDの3輪型は前輪が後輪と同サイズと大きくホイールベースが長いため安定した走行性能となった.しかし,屋内走行を考慮するとホイールベースが長いDは小回りがきず不利となる. この一連の試験結果をもとに,現在,最も効果的と考えられ,さらに電動車椅子を必要とする重度の障害者が安定した姿勢で坐ることができるシ-ティングの融通性を考慮した動力部の構成を検討しブロトタイブの設計中であり(今のところ6輪型,前輪ステアリング,センター輪駆動,後輪キャスター型が有力),平成7年度に試作予定している.
|