1996 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来の蛋白質-脂質複合体による薬物の苦味および臭いのマクキング
Project/Area Number |
06557119
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂木 能久 花王(株), 食品研究所, 研究員
庄司 隆行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (00241349)
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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Keywords | フォスファチジン酸 / フォファチジルイノシトール / 苦味抑制剤 / 大豆レシチシ / 顆粒剤 / 医薬品 / リポ蛋白質 / 実用化 |
Research Abstract |
前年度では,フォスファチジン酸とβ-ラクトグロブリンから構成されるリポ蛋白質が苦味を選択的に抑制することを報告した.苦味抑制剤を実用化するためには,蛋白質が含まれていないことが望ましい.また,安価であることも必要である.フォスファチジン酸単独でも,リポ蛋白質よりも作用は弱いが苦味抑制作用があった.そこで,各種リン脂質単独の苦味抑制効果を調べた.この結果,フォスファチジン酸の他に,フォスファチジルイノシトールにも苦味抑制効果が見られた.ついで,工業的スケールで,安価に苦味抑制剤を製造することを検討した.大豆レシチンを有機溶媒で分画し,フォファチジン酸とフォスファチジルイノシトールを多く含む分画を得た.このレシチン分画を用いて各種の薬物に対する苦味抑制効果を調べた.その結果,各種薬物の苦味は,レシチン分画により,十分抑制された.さらに,薬物を含む顆粒剤にレシチン分画を混入させ,苦味抑制効果を調べた.その結果,苦味は効果的に抑制されることがわかった.また,薬物を含む顆粒剤の表面をレシチン分画でコートし苦味に対する効果を調べた.糖衣を用いるよりはるかに少量で苦味を抑制できることがわかった.大豆レシチンは食品や医薬品に添加することが認められており,レシチン分画も添加使用が認められる.したがって,レシンチン分画は,工業的スケールで安価に製造でき,また安全に苦味抑制剤として使用できることがわかった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y. Katsuragi: "Lipoprotein that selectively inhibits taste nerve responses to bitter substances," Brain Research. 7/3. 240-245 (1966)
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[Publications] Y. Katsuragi: "Characteristics of phosphatidic acid-containing lipoproteins which selectively inhibit bitter taste ; high affinity to frog tongue surface and hydrophobic model membranes" Biochemica Biophysica Acta. 1289. 322-328 (1966)
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[Publications] Y. Katsuragi: "Specific inhibitor for bitter taste : inhibition of frog taste nerve responses and human taste sensation to bitter stimuli." Brain Research Protocols. (印刷中).
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[Publications] Y. Katsuragi: "Basic studies for the practical use of bitterness inhibitors ; Selective inhibition of bitterness by phospholipids" Pharmaceutical Research. (印刷中).