病院情報システムの統合化による病院経営管理の最適化を支援するシステムの開発研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06557138
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 熊本 一朗 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 教授 (40225230)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 酒匂 崇 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041295) ; 宇都 由美子 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50223582)
• Keywords: 病院情報システム / 病院経営 / 病院管理 / THINK / 予算執行システム / 医療管理

Research Abstract

初年度の平成6年度に行った病院情報システムからのデータ抽出のためのシステムを活用し、ホストコンピュータからEWS(エンジニアリングワークステーション)へデータを転送することを可能にした。引き続き平成7年度には、このシステム化をさらに有効な病院経営管理情報の処理・加工が自在に行えるシステムにするために、LANを利用したクライアントサーバーシステムとして充実させた。すなわち、これらの抽出した診療データをPC(パーソナルコンピュータ)にても解析処理を行うために、以下のシステム開発を行った。
(1)ホストコンピュータに蓄積されたさまざまなデータの中から、病院経営管理運営に必要なデータの最も効率的な抽出法を開発した。
(2)ホストコンピュータ側で抽出し集計されたデータをEWSまたはPC(パーソナルコンピュータ)に転送し、オンラインで解析するシステムを構築した。
(3)EWSまたはPCによりデータ処理、データ照会がフレキシブルに行えるように、検索機能の開発を行った。
(4)より有効な病院経営管理情報となるように、処理されたデータの表示に視覚的に理解しやすく、また操作性も考慮したグラフィック表示機能の充実を図った。
具体的には、病院経営管理データとして以下のデータ抽出をオンラインにて行った。
(1)処方・注射オーダリングシステムから投薬薬品費・注射用薬品費・造影剤費・血液製剤費を、
(2)検査オーダリングシステムから検査試薬費を、
(3)放射線オーダリングシステムからX線フィルム費・感光薬品費を、
(2)輸血オーダリングシステムから血液費を、
(5)物流システムから特材費(特定器材費・特定治療材料費)・治療用消耗材料費・衛生材料費を、
(6)医事会計システムから診療報酬請求費などのデータを抽出した。
さらに、LANを利用したネットワークによる管理部門のコミュニケーションシステムを開発した。具体的には、
(1)ホストコンピュータに蓄積されたデータの処理・加工だけでなく、病院経営管理がどうように展開するか予測できるように、予算執行のシミュレーションを行った。
(2)とくに病院経営管理資料としての出力系の充実を図った。
以上の支援システム開発を行い、実際に病院運営に応用しシステム評価を実施した。

Research Products

• [Publications] 熊本一朗 他2名: "病院情報システムの統合化による病院経営管理システム" 第14回医療情報学連合大会論文集. 14. 167-170 (1994)
• [Publications] 宇都由美子: "大学病院における情報システムとリエンジニアリング" 第14回医療情報学連合大会論文集. 14. 15-15 (1994)
• [Publications] 熊本一朗 他2名: "病院情報システムの統合化による高度情報活用" 第15回医療情報学連合大会論文集. 15. 127-128 (1995)
• [Publications] 熊本一朗 他3名: "物流システム導入による病院経営改善の一評価" 平成6年度国立大学附属病院医療情報処理部門連絡会議シンポジウム論文集. 12. 93-96 (1995)
• [Publications] 熊本一朗 他2名: "病院情報システムの活用による病院経営管理システム" 平成7年度国立大学附属病院医療情報処理部門連絡会議シンポジウム論文集. 13. 179-182 (1996)
• [Publications] 熊本一朗: "病院の管理運営と情報システム" 新医療. 247. 70-73 (1995)