1994 Fiscal Year Annual Research Report
染色過程における過度現象の直接測定法の開発に関する研究 -特に染め斑と初期染色機構の解明への応用
Project/Area Number |
06558003
|
Research Institution | Heian Jogakuin (St. Agnes') College |
Principal Investigator |
村岡 雍一郎 平安女学院短期大学, 生活学科, 教授 (10074147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 千秋 荏原総合研究所, 環境研究所, 室長
伊藤 啓 平安女学院短期大学, 生活学科, 助教授 (20213077)
|
Keywords | 染色浸染初期過程 / 染色過度現象 / メチレンブルー / アクリル繊維 / 染色速度 |
Research Abstract |
平成6年7月に過度現象解析装置 TR-III型Type9405(界面技術研究所製)を購入し、直ちに研究分担者である五十嵐千秋研究室(荏原総合研究所・環境研究所 水処理研究室)において予備実験に取りかかった。すなわち塩基性染料溶液(主として0.02%メチレンブルー溶液)/エクスランK8VCわた系(pH6.4)を用い、90℃で染色し、668nmの単色光を用いてsampling time 1000ms(136分)と10ms(81.6秒)で吸光度を記録した。その結果、次のような改良が必要であることが判明したので界面技術研究所に改良点を示し、装置の改良を行った。 1.光学部の設計変更が必要であった。(光ファイバー光軸調整-光軸固定により最強入射光を得る。染浴中の光ファイバー先端部保護-石英ガラスで先端部をカバーし、光ファイバーが染料で汚れるのを防ぐ。) 2.温度調節機構の設計の変更が必要であった。(染浴のSUS円筒からの放熱が予想以上に激しく、エクスランなどのように微妙な温度調節の必要な繊維に対してはより精密な温度調節装置が必要であったので、円筒ヒーターに交換し、染浴底面より放熱を防ぐためホットスターラーを増設した。) 3.過度現象測定では1/1000秒程度の短時間の染料濃度を記録しなければならないが、染液、繊維共に動いているため当然大きなノイズが発生する。ノイズ除去回路の組み込みが必要であった。 4.全ての測定系の部品、接着剤などを耐熱性のものに交換する必要があった。特にスターラーチップはテフロン被装置の改良後順次計画中の実験を進め、次のような結果を得た。 1.装置中のSUS染浴を用いて検量線を作成した。(Lambert-Beerの法則の確認) 2.別の装置を用いて同じ系について平衡染着量を測定し、染色初期過程において平衡染着量の内のどの程度の染料が繊維表面に吸着するか算出した。その結果、過度現象曲線では平衡染着量の20%程度までの染着量/時間の関係を明らかにすることができた。 3.染料イオンと同種イオンを有する界面活性剤を添加すると過度現象曲線は大きく変化し、平衡染着量の5%程度までしか染着しなかった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Hiraku ITO and Yoichiro MURAOKA: "Water transport along textile fibers as mcasured by an clectrical capaci tance technique" Textile Res.J.63. 414-420 (1993)
-
[Publications] H.ITO.Y.MURAOKA.R.UMEHARA,Y.SHIBATA and T.MIYAMOTO: "Shrink-resistant properties and surface characteristics of wool fibers treated with multifunctional epoxides" Textil Res.J.64. 440-444 (1994)
-
[Publications] Y.MURAOKA,ITO,R,UMEHARA,Y.SHIBATA and T.MIYAMOTO: "The physical properties of wool treated with multifunctional epoxides" Textile Res.J.64. 514-518 (1994)
-
[Publications] Y.MURAOKA,K.INOUE,H.TAGAYA and K.NISHIZAWA: "Fractal dimension of crimped fibers" Textile Res.J.(掲載予定).