1994 Fiscal Year Annual Research Report
実験観察重視の科学技術教育のカリキュラム整備と教材データベースの実用化研究
Project/Area Number |
06558012
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
西之園 晴夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90027673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 康 広島大学, 教育学部, 助手 (50224192)
原田 耕平 川村学園女子大学, 教育学部, 講師 (10238181)
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10219321)
伊藤 眞人 創価大学, 工学部, 助教授 (10159915)
小林 辰至 宮城大学, 教育学部・教育実践研究指導センター, 助教授 (90244186)
|
Keywords | 科学教育 / 実験観察 / 課題研究 / 理科嫌い / 理科教育 / データベース |
Research Abstract |
平成6年度は、日本科学教育学会の物理、化学、生物、地学、数学の5分野からの研究参加者によつてそれぞれの分野での実験観察についての考え方についての情報交換ならびに基本的方針について検討し、相互理解を図った。たとえば物理と生物では実験や観察の考え方にかなりの違いがあり、また、発達段階における扱いも異なっている。そこで日本科学教育学会第18回年会において課題研究「新世紀科学教育における実験・観察・課題研究のための遺産の継承と今後の研究課題を探る」というテーマでそれぞれが発表した。化学分野については伊藤眞人が現在の時点でのデータベースの状況を紹介した。化学の分野ではすでにいろいろなデータベースが作成されており、それぞれが独自の役割を果たしていることが紹介された。物理分野については小倉康が子どもの認識にみられる日常知と学校知との関連を構造主義の立場から検討し、とくに実験における「観察の理論負荷性」の問題を取り上げながら、見える現象と見えない物理理論の問題を検討した。小林辰至は生物分野での観察・実験においての発達段階との関連を検討して、小学校低学年における原体験の重要性と学年進行にともなう実験・観察の発展と多様性との観点から検討した。地学分野については下野洋が野外学習の必要性と教室内での学習とのつながりを検討した。数学分野については、原田耕平が幾何の問題解決をコンピュータを利用して実施するときの問題を検討した。以上が本年度の学会活動であったが、その後も実験・観察・課題研究にともなう基本的問題についての討議を継続した。さらにパソコンネットワークの現状についての認識を深め、平成7年度における活動につなげる準備をした。
|
-
[Publications] 伊藤,眞人: "化学教育分野におけるデータベース化活動の現状" 日本科学教育学会第18回年会論文集. 11-12 (1994)
-
[Publications] 小倉 康: "新世紀科学教育における実験・観察・課題研究のための遺産の継承と今後の研究課題を探る -物理分野から-" 日本科学教育学会第18回年会論文集. 13-14 (1994)
-
[Publications] 小林 辰至: "生物教育の改善に関する提案" 日本科学教育学会第18回年会論文集. 15-16 (1994)
-
[Publications] 下野 洋: "新世紀科学教育における実験・観察・課題研究のための遺産の継承と今後の研究課題を探る -(4)地学領域から-" 日本科学教育学会第18回年会論文集. 17-18 (1994)
-
[Publications] 原田 耕平: "新世紀科学教育における実験・観察・課題研究のための遺産の継承と今後の研究課題を探る -(5)数学分野から-" 日本科学教育学会第18回年会論文集. 19-20 (1994)
-
[Publications] 益子 典文: "初等代数における高次思考課題と標準課題の問題解決特性 -相等関係の導出における知識運用の一般化レベルについて-" 鳴門教育大学研究紀要(教育科学編). 9. 151-166 (1994)
-
[Publications] 長谷川 正: "ポピュラーサイエンス 化学結合と反応のしくみ" 裳華房(印刷中), (1995)
-
[Publications] 小倉 康 他: "子どもの学びを探る-知の多様な表現を基底にした教室をめざして" 東洋館出版, 239 (1995)