1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06558085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津野 洋 京都大学, 工学部, 助教授 (40026315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 芳朗 京都大学, 工学部, 講師 (50152541)
宗宮 功 京都大学, 工学部, 教授 (60025947)
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Keywords | 生物学的硝化脱窒 / イオン交換反応 / 付着微生物型反応器 |
Research Abstract |
1.ゼオライトを担体とした反応器での硝化実験より以下の結果を得た。すなわち (1)ゼオライトによる吸着と生物学的硝化を単一の反応槽内で同時に行わしめることが可能であり、また生物学的作用によりゼオライトの再生を完全に行い得る。 (2)アンモニア性窒素の負荷率が0.15mgN・(gゼオライト・h)^<-1>の範囲内では90%以上の除去が可能である。また有機物含有廃水では有機炭素負荷率とアンモニア性窒素負荷率窒素の比(C/N比)が4までの範囲ならば、同程度のアンモニア性窒素負荷率において90%以上の除去率が得られる。しかしC/N比が4を越える範囲内では、担体表面での付着に関して硝化菌と他栄養性細菌間で競合が生じ、単位担体量あたりの硝化菌活性の低下が起こる。 (3)アンモニア性窒素の濃度変動に対して、吸着による緩衝が作用し、高濃度アンモニア性窒素による硝化阻害を緩和させることが可能である。 2.スポンジ付着好気性脱窒菌を用いた反応器での高濃度の硝酸塩含有廃水の脱窒実験から以下の結果を得た。すなわち (1)スポンジ充填率10%以下の条件では144mgN・(L・h)^<-1>以上の脱窒速度が得られる。 (2)90%以上の硝酸性窒素が除去可能な容積負荷率は2.4kgN・(m^3・d)^<-1>である。 3.実廃水への適用としてゼオライトを担体とした流動床型反応器を作成し、汚泥溶融法における汚泥乾燥工程廃ガススクラバー廃水の処理を試みた。 (1)この廃水は全窒素として100-700mgN/Lおよ溶解性有機炭素をとして120-1200mgC/Lと高濃度に含有し、窒素分のほとんどがアンモニア性窒素また有機炭素分のほとんどが有機酸である。さらにこの廃水には硝化阻害物質が含まれるが、これは活性炭吸着による除去や生物処理よる低減が可能である。 (2)反応器立ち上げの際に硝化発現までにゼオライト吸着を作用させることによりアンモニア性窒素の除去が円滑に行い得る。 (3)硝化活性維持には、有機物濃度の50mgN/L以下への低減が必要でる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 津野洋: "生物ゼオライト反応器における硝化活性に及ぼすC/N比の影響に関する研究" 第31回下水道研究発表会講演集. 410-412 (1994)
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[Publications] 津野洋: "汚泥乾燥工程廃水の生物学的硝化" 土木学会第49回年次学術講演会講演集. 2B. 1116-1117 (1994)
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[Publications] 津野洋: "生物ゼオライトを用いたアンモニア性窒素の除去特性に関する研究" 土木学会論文集. No.503II-29. 159-166 (1994)
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[Publications] 津野洋: "生物活性炭・生物ゼオライト法による汚泥乾燥工程廃水の窒素除去に関する研究" 第32回下水道研究発表会講演集.