1995 Fiscal Year Annual Research Report
配偶者の死における悲嘆緩和への援助的介入とその効果の検討
Project/Area Number |
06610149
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN INSTITUTE OF GERONTOLOGY |
Principal Investigator |
河合 千恵子 (財)東京都老人総合研究所, 心理学部門, 研究員 (00142646)
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Keywords | 配偶者の死 / 援助的介入 / 悲嘆 / 電話相談 / グループカウンセリング / 精神的健康度 / 不安感 / 孤独感 |
Research Abstract |
1.研究の目的 本研究は配偶者と死別した人々の悲嘆を緩和するために、援助的介入を行い、その効果を検討することによって、どのような介入方法が最も効果的であるかを明らかにすることを目的としている。今年度は「ウィドウ・ミーティング」と、電話を利用した「ピア・カウンセリング」及び「フレンドリィ・ダイアル」を実施することによって悲嘆緩和への介入効果について検討した。 2.研究の実施と成果 「ウィドウ・ミーティング」については4月1日から5月27日までの毎週土曜日(全8回)に東京都老人総合研究所の会議室で実施し、初日と最終日に効果測定のための心理テストを施行した。参加者は14名であった。「ピア・カウンセリング」と「フレンドリィ・ダイアル」は10月26日から12月22日の約2ヶ月間実施し、介入効果の測定は実施前後に郵送により行った。「ピア・カウンセリング」の参加者は50名、「フレンドリィ・ダイアル」は70名、両方のメニューを併用した者は238名であった。 介入の開始時と終了時に行ったGHQ精神健康度の得点から、参加者を改善群、不変群、悪化群の3群に分けた。「ウィドウ・ミーティング」では改善群が64%、不変群が36%で、悪化群はなかった。「ウィドウ・ミーティング」は、逆効果の心配なく精神的健康度を高める介入法であることが判明した。 電話を利用した介入では、改善群の比率が「ピア・カウンセリング」では52%、「フレンドリィ・ダイアル」では62%、「併用」では66%であった。電話を利用したどの群も悪化群が1割程度認められた。これらの結果から電話を利用した介入では「ピア・カウンセリング」と「フレンドリィ・ダイアル」を併用することが効果的であると判明した。
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