1994 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における資源動員のあり方とネットワークに関する実証的研究
Project/Area Number |
06610192
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
米田 公則 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (50195864)
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Keywords | 資源動員 / 情報化 / ネットワーク / 資源 |
Research Abstract |
本研究の主題は、全国的な産業リストラクチャア中の現在、経済構造の立ち後れのために岐路に立たされている地方都市の多くが進めようとしている都市活性化の試みの成否がどこにあるのかを「資源」と「ネットワーク」の視点から解明しようとするものである。具体的には、本年は第一に理論研究として資源と地域社会に関する基本的枠組みを構築するために先行研究の検討をおこなうことであった。この研究によりこれまで経済的な資源概念ではなく、情報や知識なども広義の資源(「社会的資源」)として位置付けることが可能であることを明らかにした。この理論的枠組みの提示は発表論文(「地域社会と情報化」)でおこなった。また、ネットワークも一つの重要な資源であることを理論的に位置付けた。 また、この理論研究を具体的に検証する調査対象地の選定とその基本的データの解析が第二の課題であたったが、調査の結果諏訪市を中心とした諏訪地方を対象の第一候補とした。この地域は全国有数CATVネットワークを有する地域であり情報化の全国的な注目地域であるが、他方で精密機械工業など既存産業が衰退の傾向を見せているところでもある。ここでCATVネットワークという情報化の先進をいく情報ネットワーク網の構築を可能にしたのは諏訪地方の地域に対する関心の深さ、地域内の人的ネットワークであるという感触を得た。この点は今後解明する必要があろう。また、このようなあい矛盾する二つの傾向を持つ諏訪地方が今後、資源動員という視点からどのような展開をしようとしているのかは行政の姿勢から分析した。今後は、地元産業界やその他の社会的団体の資源動員の動きを検討する必要がある。
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