1995 Fiscal Year Annual Research Report
フランス公教育の組織編制における国・地方関係の歴史構造研究
Project/Area Number |
06610228
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
梅澤 収 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90223601)
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Keywords | 公教育 / 地方分権 / 教育権 / 教育制度 / 地方自治 |
Research Abstract |
昨年度(平成6年度)から開始した3年度にわたる本研究は、1980年代前半にフランスで実施された地方分権が、公教育制度にどのような影響を及ぼしているのかについて、フランス公教育組織編制の歴史的視野をふまえて検討しようとするものである。 昨年度は、フランス近代1880年代における公教育の組織編制問題と地方自治制度(法)の関連構造の歴史的分析を行い、今年度は2年目にあたる研究の中間的な段階であると言える。 今年度の研究実績については、研究計画に従い、フランス地方分権化法の議会審議の論点の整理を行うこと、また施行後10年後の状況を把握することに努めた。また、これらの点にかかわる諸著作・諸論文を収集し分析してきたところである。そして、それをふまえて公教育の編制問題における国・地方(県・市町村)の権限関係の変化を具体的に分析することが、今年度の研究課題の核心である。成果として論考をまとめあげることはできていないが、仕上げに向けて努力しているところである。 また、昨年度からの課題である文献及び歴史的資料(「1880年代以降の公教育組織編制と地方自治の関係をめぐる歴史的整理」)については、今年度に引き続き適切な文献・資料の入手に努めてきている。 これらの研究作業をもとにして最終年度である次年度では、フランス教育(行政)研究の成果との関連を問いながら、本研究の最終的なまとめにつなげていきたい。
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