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1994 Fiscal Year Annual Research Report

近世東国における高野山参詣と文化的影響

Research Project

Project/Area Number 06610332
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Research InstitutionKanagawa Prefectural Museum of Cultural History

Principal Investigator

鈴木 良明  神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (50124516)

Research Abstract

東国における荒野山参詣の初源は中世末期にもとめられよう。東国という広範囲に限定しての参詣行動の把握は広範な資料収集を要するので、サンプル的に参詣行動をながめその特徴的傾向を捉えることとした。
サンプルとして抽出したのは相模国で、当該地域は中世末期から高野山高室院と慈眼院の檀家として存在したことが知れるが、これは戦国大名後北条氏と両院の歴史的関係の上に成立したもので、その基盤上に近世期の参詣行動が展開すると理解しうる。ただ、参詣行動が隆盛になるのは、既に指摘されるごとく近世中期以降で、諸人の参詣と文化的活動を跡ずける「参詣記」「道中記」の多出は近世後期の現象としてあったことが数量的にも把握された。これら「参詣記」「道中記」に見える高野山参詣の記事は、単独で記述されることはなく、多くの場合「伊勢参宮」や「金比羅参詣」等とセットで参詣したことが窺え傾向にある。このことから、近世中期以降の高野山参詣は、高野山信仰単独の欲求から説明されるものではなく、高野山周辺に所在する聖地への参詣行動と複合した展開の上にその傾向を理解する必要があろう。
また、参詣行動の隆盛に従って諸出版物(刊本「道中記」等)が多く刊行されることから参詣地側の刊行物との相関関係を捉え参詣傾向を把握し課題に迫りたいと考えているが、特に高野山側に於ける刊行物は数量的にきわめて少ない傾向を示した。

URL: 

Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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