1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業の国際生産ネットワーク展開と次世代生産システムに関する研究
Project/Area Number |
06630034
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坂本 清 大阪市立大学, 商学部, 教授 (70089184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十名 直喜 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (80247618)
川端 望 大阪市立大学, 経済研究所, 講師 (20244650)
植田 浩史 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (10213357)
富澤 修身 大阪市立大学, 商学部, 教授 (30172183)
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Keywords | 生産システム / マイクロエレクトロニクス技術 / 自動車産業 / 日本企業 / 生産管理 / 鉄鋼業 / 繊維産業 |
Research Abstract |
本年度は、まず分析視角と論点の具体化、および企業調査項目の設定のために研究動向を検討しつつ、各参加者の問題意識の開示に基づく討論をおこなった。月1〜2回の定例研究会とともに、8月には合宿研究会を開催した。その結果、1980年代以降の日本企業の生産システムを特徴づける、ME(マイクロエレクトロニクス)技術の発達、生産・販売管理の多品種・小ロット化、熟練・技能の衰退傾向と継承の必要性の対立などの重要性と相互関連、産業別の相違とその根拠、さらにそれらが1991年以来の不況下でどのように変容しつつあるかについて、一定の知見を得ることができた。 続いて、11月末から12月にかけて、自動車工場における生産システム改革の企業別比較と半導体工場の生産システムの概要把握を主な目的とする約一週間の企業調査旅行におもむいた。その調査結果については、現在なお討論中であるが、自動車工場に関しては、自動化の推進、モジュール生産、作業内容と作業環境の改善、継続的改善へ向けた労働のインセンティブなどについて、各社の戦略の相違とその成否を決する諸条件について、整理がすすみつつある。 また、3名の参加者は個人論文として研究成果を発表した。それらは、理論・産業別の実証の両面にわたっており、本研究の中で重要な位置を占めている。 来年度は、まずこれまでの企業調査報告をワーキングペーパーとしてとりまとめる。同時に、企業調査の範囲を繊維産業、鉄鋼業、工作機械産業などに拡大し、今年度訪問した工場についても補足調査を試みる。そして、最終的な研究成果のとりまとめに向けた報告・討論を、定例研究会を中心に行っていく。
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[Publications] 坂本清: "ME(マイクロ・エレクトロニクス)の技術的機能の本質について" 経営研究(大阪市立大学). 45巻2号. 27-49 (1994)
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[Publications] 富澤修身: "第二次大戦後日本の短繊維織物業-現代日本繊維産業論(1)-" 経営研究(大阪市立大学). 45巻3号. 19-38 (1994)
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[Publications] 十名直喜: "鉄鋼業における熟練・技能の特質と継承問題(上)" 名古屋学院大学論集 社会科学篇. 31巻1号. 135-172 (1994)
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[Publications] 十名直喜: "鉄鋼業における熟練・技能の特質と継承問題(下)" 名古屋学院大学論集 社会科学篇. 31巻2号. 73-127 (1994)
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[Publications] 十名直喜: "熟練・技能の現代的特質と継承問題-鉄鋼業を中心にして-" 労務理論学会研究年報. 4. 26-36 (1994)
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[Publications] 十名直喜: "日本型システムと青い鳥症候群-コリア『逆転の思考』の評価をふまえて-" 経済理論学会年報第31集 戦後世界システムの転換. 31. 117-132 (1994)
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[Publications] 十名直喜: "日本型鉄鋼システムと業界団体" 名古屋学院大学研究年報. 7. 71-121 (1994)