1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640385
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北門 新作 名古屋大学, 理学部, 教授 (20027345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 昭二 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022546)
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Keywords | 場の量子論の位相幾何学 / ゲージ構造 / ゲージ・ホテンシャル / 1 / Nc展開法 / BPSTインスタント / クイラルソリトン模型 / 非相対論的クォーク模型 / F / D比 |
Research Abstract |
本年度は当該研究の2年目になるが、場の量子論の位相幾何学的側面の研究においては、任意のD次元の球面上で量子化した場合に現れるゲージ構造を研究した。Dが偶数の時は自明でないトポロジーを反映して、ゲージ・ポテンシャルはBPSTインスタントンになり、トポロジーは自明であるが、D>1の奇数の時も類似のゲージ・ポテンシャルになることを示した。論文にすでにまとめ投稿中である。 カイラルソリトンに関する研究においては、クォーク模型との関連を明らかにする方向での研究の前進があった。クォークの強い相互作用を記述する基本理論は量子色力学であるが、この量子色力学に基づいてクォークから重粒子をどのように構成するかは、低エネルギーにおける量子色力学の非摂動的効果が重要になるため、直接量子色力学を解くことはできない。そこで、量子色力学のカラー自由度Ncは現実には3であるが、これを十分大きいとして、1/Ncを展開パラメーターとする方法によって、低エネルギーの有効理論を探るアプローチがなされてきた。 ところで、最近、量子色力学における1/Nc展開法に基づいて、重粒子の頂点に関する整合性条件がえられ、これによって、量子色力学の低エネルギーにおける模型によらない比較検討法が新しく開発された。そこで、研究代表者と分担者は大学院性である高村明氏と共同して、カイラルソリトン模型と非相対論的クォーク模型の両方について、重粒子のスピン-フリップ頂点のF/D比を任意のNcについて求めることに成功し、これを論文としてまとめた。この仕事は高村氏によって学会発表を行い、また論文としてProgress of Theoretical Physics誌に掲載されることが決まっている。現在、重粒子のスピン-フリップ頂点についても研究をすすめている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.B.Suzuki et al.: "Semileptonic Decays of B Meson into Charmed Higher Resonances in the Heavy Quark Effective Theory." Prog.Theor.Phys.91. 757-774 (1994)
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[Publications] A.Takamura et al.: "The F/D Ratios of Spin-Flip Baryon Vertex in 1/Nc Expansion." Prog.Theor.Phys.93(発表予定). (1995)