1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640389
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50219896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正信 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90025479)
|
Keywords | 荷電粒子検出器 / 標的核破砕反応 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の実績に基づき総計で全立体角の20%近くを覆えるような複合ブラッグカーブ検出器系の設計、製作を行った。昨年度テストを行なった1つのガス容器に4つの独立したブラッグカーブ検出器(BCC)を詰め込んだSector型BCC(SBCC)を更に一台と、ちょうど半分の大きさの2つの独立したBCCを1つのガス容器に詰め込んだ1/2SBCCを2台製作することによりターゲット回りの水平面を完全に覆えるようにした。それとともに、新たに設計・製作した多重度測定専用の内部を25に分割した大立体角cone型BCC(CBCC)をターゲット上に設置し、反応によって作られる荷電が4以上の荷電粒子(IMF)の多重度をより正確に測定できるようにした。BCC製作のコスト、手間を減らすために、昨年度はポイント溶接で製作したFrisch Gridを今年度はエッチングで製作することにした。検出器の数が多くなったので、電気信号の処理に必要な安価な回路の研究開発も行なった。BCCでは測定できないエネルギーの軽い粒子のエネルギー測定用の検出器の開発は、新しい一次粒子ビームラインをKEK北カウンターホールに設置するなどビームハロ-の低減の努力を行なったにもかかわらず、実用に耐える程最小電離粒子に対する感度が充分に低い無機シンチレーターの発見に成功しなかったため、結局今回は見送ることにした。システム全体の性能はKEK-PSからの12GeV陽子ビームと0.3ミクロン金標的を使って調べ、予定していた荷重粒子に対する応答を示すことが確認された。来年度4月にはこのシステムを用いた本実験を行なう予定である。
|
Research Products
(1 results)