1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640531
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒川 美恵子 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20051203)
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Keywords | 弾性管 / 管壁の運動 / 拍動流 / 流れの不安定性 / 流速変動 / 乱流 / 管壁内外の圧力差 / 非線形性 |
Research Abstract |
圧力の変化に応じて変形するような,弾性をもつ軟らかい管の中の流れについて管壁の変形が管内の流れの不安定性に及ぼす影響について前年度に引き続いて調べた。薄い軟らかなゴム管に拍動流(水)を流し,外径の変形はレーザー変位計を,また流速変動はホットフィルム流速計を用いて測定し,それらの関連を調べた以下の結果が得られた。 1.ゴム管の壁の弾性的性質は管壁内外の圧力差P_t(=内圧-外圧)の大きさによって非線形に変化する。P_t≒0のときを境にして,P_t>0の領域では弾性的に,P_t<0の領域では非弾性的に振る舞う。 2.同時に測定した水平・垂直両方向の管壁の変動波形から管の断面の変動モードを調べた。そして,そのときのP_tの大きさから管壁の弾性的性質との関連を調べた。 (1)管壁が弾性的に振る舞う範囲では管の断面は円形で,流れの拍動に応じて管径が伸縮する。 (2)管壁が非弾性的に振る舞う範囲では管の断面は楕円形で,拍動に応じて長・短の楕円形の間を往復する。 (3)管壁が弾性・非弾性の両範囲にまたがる変形をするときは(1),(2)の結果の混在した複雑な変形をする。 3.管壁の弾性的応答は管内の流れの不安定性を制御するのに重要な役割をもつ。管壁の変形が拍動流の1周期の間に全体として弾性的振る舞いが優勢なときは管壁の変動は流れの不安定性を抑え,非弾性的な振る舞いが優勢なときは管壁の変動は流れに不安定性を誘起する働きをする。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mieko Arakawa: "Turbulence in pulsatile flow through the tube with elastic wall." IUTAM Symposium on Laminar-Turbulent Transition, Sendai, 1994. 165-172 (1995)
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[Publications] Mieko Arakawa: "pulsatile flow through the tube with elastic wall." Proc. 6th Asian Congress of Fluid Mechanics. 1492-1495 (1995)