1995 Fiscal Year Annual Research Report
二次イオン質量分析法によるウラン・鉛年代測定法の開発
Project/Area Number |
06640628
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮野 敬 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (60133039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角替 敏昭 島根大学, 教育学部, 講師 (50252888)
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Keywords | 質量分析 / シムス / ジルコン / ウラン-鉛年代 / 二次イオン / 始生代 |
Research Abstract |
初年度の研究によって二次イオン質量分析法(SIMS)によるウラン・鉛分析条件がほぼ決定されたため、平成7年度は分析法を天然の岩石に応用することを主な目的とした。分析した岩石は南部アフリカの始生代高度変成帯(グラニュライト帯)であるリンポポ帯北縁部の片麻岩である。北縁部の岩石で特に興味深いことは、明らかに2つの異なるステージで結晶化したジルコンが存在することである。1つは淡褐色で自形を呈するジルコン(タイプ1)、もう1つは暗褐色で半自形のジルコン(タイプ2)である。両者の関係は、タイプ1のジルコンの周囲にタイプ2のジルコンがオーバーグロースしていることがある。分析の結果、タイプ1のジルコンは約27.5億年の年代を示す。一方タイプ2のジルコンはタイプ1よりも若く、約16.5億年である。同一試料中の他のグレインから求めた結果も同様に、タイプ1の年代は約27〜28億年に集中し、一方のタイプ2は18億年よりも若い。北縁部から採集した他の岩石の年代も27〜28億年と20億年の2つのピークがあり、リンポポ帯の他の地域で見られるような32億年よりも古い年代は得られなかった。今まで20億年という年代は、リンポポ帯各ゾーンを境する剪断帯から報告されているが、北縁部内の岩石からは初めての報告である。以上のようにSIMSを用いて地質学的に有効な年代測定が可能となった。この分析法は始生代の地球史解明のための有効な武器として大いに期待できるだろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miyano,T: "Phase equilibria in a binary H_2O-CO_2 fluid mixture at P(solid)>P(total fluid)and charnockitization in the fracture system." Sci. Rept. , Inst. Geosci. (Section B), Univ. Tsukuba.16. 1-28 (1995)
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[Publications] 角替敏昭、圦本尚義: "SIMSによるジルコン年代の応用" 月刊地球. 17. 179-182 (1995)
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[Publications] Tsunogae, T. and Yurimoto, H.: "Single zircon geochronology of the Limpopo Belt by secondary ion mass spectrometry." Geochemical Journal. 29. 197-206 (1995)
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[Publications] Tsunogae, T.: "Preliminary SIMS zircon ages of pelitic gneiss, Oki-Dogo Island." Mem. Fac. Ed. , Shimane Univ.29. 61-68 (1995)
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[Publications] Mizuno, K. and Miyano, T.: "Phase analysis of meta carbonate rocks around Mt. Hiiragi, Kasama,Ibaraki Prefecture." Ann. Rept. , Inst. Geosci. , Univ. Tsukuba.21(in press). (1995)
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[Publications] Hisada, K. and Miyano, T.: "Petrology and microthermometry of aluminous rocks in the Botswanan Limpopo Central Zone: evidence for isothermal decompression and isobaric cooling." Journal of Metamorphic Geology. 14(in press). (1996)