1995 Fiscal Year Annual Research Report
屈折率グレーティングによる基本波の回折を利用した位相整合波長変換に関する研究
Project/Area Number |
06650050
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Research Institution | University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小笠原 長篤 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90134486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 可人 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (20240400)
山口 浩一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (40191225)
岡田 佳子 (首藤 佳子) 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50231212)
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Keywords | 波長変換 / 第二高調波発生 / 位相整合 / 疑似位相整合 / 回折 / グレーティング / 共振器 / 定在波 |
Research Abstract |
光第2高調波発生(SHG)のための従来の疑似位相整合法における光学非線形性の変調周期であるコヒーレント長よりもずっと短い光第2高調波1波長を周期とする媒質の屈折率および光学非線形性の空間変調を利用する新しい疑似位相整合方式について理論解析・考察を深めた結果、新周期構造に入射する基本波波長を変化させると近接する2つの異なる波長で位相整合が達成されることが明らかになった。また、湾曲分散位相整合、基本波振幅変調疑似位相整合、定材波疑似位相整合の複数の新しい原理の位相整合が同一の周期構造において達成されることも判明した。これらはいずれも、他の方式には例を見ない著しい特徴であるといえる。さらに、新位相整合方式の高効率実用素子への応用の可能性を探るために、III-V族半導体のなかで比較的広いバンドギャップを持ち青緑色域において低損失であるGaP/AIP積層膜による周期構造を非線形媒質として用い、これを同じくGaP/AIP積層膜による分布フラッグ反射鏡で構成された共振器中に配置した全半導体素子を考察して、そのSHG効率を解析した結果、半導体レーザの出力光を基本波として実用レベル(ミリワットオーダー)の高調波出力が得られることが明らかになった。 高調波1波長周期構造における位相整合SHGを実証するための実験を行った。測定に用いた試料は分子線エピタキシーにより成長したGaAs/AlAs8周期構造である。YAGレーザ光(波長:1.064μm)を基本波として、45°の入射角でs偏光として試料に入射し、発生する高調波のp偏光成分を測定した。基本波波長は固定したまま、試料内の膜厚不均一を利用して効率の周期依存性を測定した結果、高調波1波長周期構造における反射型SHGの観測に成功した。
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