1995 Fiscal Year Annual Research Report
p形セレン化亜鉛のエピタキシアル成長におけるちっ素ドープの高効率化
Project/Area Number |
06650348
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
針生 尚 茨城大学, 工学部, 教授 (40005301)
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Keywords | p形セレン化亜鉛 / エピタキシアル成長 / プラズマ励起ちっ素 / プラズマ発光分光 |
Research Abstract |
1.p形ZnSeのエピタキシアル成長における窒素ドープにおいて、効率的なプラズマ励起種は(1)原子状窒素、(2)窒素分子イオンの励起種、(3)中性窒素分子の励起種の順である。しかし、イオンをさらに加速するのは結晶欠陥を誘起するので望ましくない。 2.ドープされる窒素濃度の増加に伴い、発光スペクトルにおける窒素が関与する優勢な発光ピークは、一般に、(1)中性アクセプタに束縛された励起子発光、(2)導電帯-窒素アクセプタ準位への遷移による発光、(3)浅いドナー窒素アクセプタ準位への遷移による発光、(4)深いドナー窒素アクセプタ準位への遷移による発光と変化する。 3.窒素ドープZnSeにおける補償ドナとしては、(1)原料に含まれるドナ性不純物(例えば、Seの中のCl)、(2)成長雰囲気に含まれる水素原子、(3)特に高ドープにおいて誘起される結晶欠陥(有力なモデルとしてSe空格子とSe位置窒素の複合体)があり、いずれもの減少を企る必要がある。 4.窒素ドープZnSeのエピタキシアル成長においては、エピタキシアル性、鏡面性の点でアンドープやn形ZnSeの場合に比べてSe/Znの供給比に非常に敏感であり、前記2(3)の深いドナの減少を困難にする。 5.ホトルミネセンス特性が同程度であっても補償度によって電気的特性が変わるので低抵抗化のためには補償ドナ濃度の減少を企る必要がある。
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