1994 Fiscal Year Annual Research Report
都市橋粱における橋脚デザインの系譜と新デザインの創造に関する研究
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06650508
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
杉本 博之 北海学園大学, 工学部, 教授 (70002946)
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Keywords | 橋脚デザイン / 都市橋梁 / 河川橋 / 高架橋 / 配水管 |
Research Abstract |
本年度は、まず現状分析ということで、札幌、札幌近郊、室蘭、東京、及び大阪の橋粱を現地で観察した。その結果、河川橋脚、高架橋橋脚、配水管それぞれについて考察を加えた。 ◇河川橋脚の現状分析:国内の河川橋の形状は、基本的には楕円あるいは長円を断面とする構造になっている。そもそもデザインという発想はまったくないところから生まれている構造形であるので、橋脚単体の形態的に見るべきものはないし、見通しが悪く重厚な印象を与え、上下部のデザイン的なバランスも取れているとは決して言えない外観を呈している。これは、河川管理施設等構造令により、形態がかなり強く制約されているためである。橋粱建設位置を、河川工学上余裕のある場所にし、両者の緊張状態を緩和した上で、よりすぐれたデザインを追求する等、発想の転換が必要な問題点だと考えられる。 ◇高架橋橋脚の現状分析:コンクリート橋脚、鋼橋脚を問わず、優れたデザインは少なかった。改善の一つの可能性は、橋脚頭部の横ばりを、主桁内部の横桁と一体化し、主桁の下側をすっきり見せることである。施工的には課題を残すが、耐震的にも剛性、靱性が増すと考えられ、今後検討したい。 ◇排水管:日本は、雨量が多く、橋梁上を走行する車両の安全のために速やかに雨水を排水する必要があり、欧米に比べて、排水管の設備密度は高くならざるを得ない。その結果、必ずしもデザインされない排水管が外部に露出することが多く、必要以上に景観を損なうケースが多い。
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Research Products
(1 results)