1995 Fiscal Year Annual Research Report
信号交差点の容量解析を組み込んだ交通量配分モデルによる都市内渋滞対策支援システム
Project/Area Number |
06650587
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高山 純一 金沢大学, 工学部, 助教授 (90126590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 恭敬 京都大学, 工学部, 教授 (10026114)
宮島 昌克 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70143881)
木俣 昇 金沢大学, 工学部, 教授 (30026166)
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Keywords | 時間交通量配分モデル / 信号交差点 / ペトリネットシミュレーション / 動的交通流シミュレーション / エキスパートシステム / 経路選択行動 / 渋滞対策支援システム / 最大許容容積率 |
Research Abstract |
本研究の基本モデルである時間交通量配分モデルと車両一台一台の交通挙動を扱うペトリネット・ミクロシミュレーションモデルの開発を行った。そして、それらのモデルを応用した道路網最大容量評価法の開発と大規模開発に伴う交通アセスメントのためのシステムモデルの開発を行った。 具体的には、(1)信号交差点の交通容量解析を時間交通量配分モデル(マクロモデル)に組み込むことにより、最適な信号現示企画を検討する計画支援システムの開発を行った。従来は、マニュアル的に最適な計画案(信号現示企画)を決定するものであったが、(2)本研究ではエキスパート・システムを導入することにより、自動的に最適な信号現示企画を設計する交差点改良設計支援システムの開発を試みた。(3)大規模開発周辺の交通需要量を交差点での左右折直進交通量の観測値から吸収マルコフモデルを用いて推計する方法を開発した。 また、(3)都市内道路網のネットワーク容量はリンク容量よりも,むしろ信号交差点における交通容量により規定されると考えた方が現実的であるので,交差点容量解析の結果として出力される未処理交通量から渋滞長を計算し,その渋滞長をリンク切断の判定基準とする道路網最大容量評価法を提案した。そして、(4)そのシステムを応用することにより、土地利用パターンと道路網の整合性を分析する最適道路網計画支援システムの開発を行った。 さらに、日々変動する交通量変動に的確に対応するために、交通量配分モデルの動的化が必要不可欠である。本研究では、(5)信号交差点における1台1台の車の挙動をモデル化したペトリネット・シミュレーションモデル(ミクロモデル)を用いて,幾何構造が与えられた信号交差点の交通容量解析・交通渋滞現象の解析を行うシミュレーションモデルの開発を行った。 以上のように、研究目的はほぼ達成されたので、今後はこれらのモデルの実用化を目指したい。
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[Publications] Yasunori Iida: "An Analysis of Effect of Dynamic Traffic Information Considering Driver's En-rout Route Switches" Proceedings of the 4th ICAATTE. (印刷中). (1995)
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[Publications] Yasunori Iida: "An Evaluation of Parking Guidance and Information System Based on Before/After Analysis" Proceedings of the 4th ICAATTE. (印刷中). (1995)
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[Publications] 木俣昇: "ペトリネットによる交通流シミュレーションシステムの開発" 土木計画学研究・論文集. 第12号. 691-698 (1995)
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[Publications] 井上秀行: "信号交差点を組み込んだ時間交通量配分モデルの動的化に関する研究" 都市計画論文集. No.30. 637-642 (1995)
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[Publications] 楊暁光: "信号交差点右折交通流の遅れに関する一考察" 交通工学研究発表会論文報告集. 第15号. 53-56 (1995)
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[Publications] 高山純一: "エキスパートシステムを用いた信号交差点改良のための設計支援システムの開発" 交通工学研究発表会論文報告集. 第15号. 85-88 (1995)
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[Publications] 杉山智美: "交差点分岐比率の変動が観測交通量からのOD推計に及ぼす影響分析" 交通工学研究発表会論文報告集. 第15号. 221-224 (1995)
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[Publications] 竹内努: "地点間交通量の相関係数の推定による悲観測区間交通量の推計分析" 交通工学研究発表会論文報告集. 第15号. 225-228 (1995)
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[Publications] 高山純一: "GAを用いた吸収マルコフ連鎖による観測交通量からの簡易OD推計法の適用性" 土木学会第50回年次学術講演会 講演概要集. 142-143 (1995)
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[Publications] 高山純一: "道路網容量からみた特定区間交通の抑制効果" 土木学会第50回年次学術講演会 講演概要集. 186-187 (1995)
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[Publications] 高山純一: "エキスパートシステムを用いた交差点改良の設計支援システムの開発" 土木学会第50回年次学術講演会 講演概要集. 202-203 (1995)
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[Publications] 飯田恭敬: "通勤者の出発時刻を考慮したピーク需要コントロール政策の比較分析" 土木学会第18回土木計画学研究発表会 計画学研究・講演集. 第18号(1). 95-96 (1995)
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[Publications] 高山純一: "交通需要管理のための交差点許容サービス水準ならびに規制対象区間の決定法に関する研究" 土木学会第18回土木計画学研究発表会 計画学研究・講演集. 第18号(1). 397-400 (1995)
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[Publications] 木俣昇: "交通流のペトリネットシミュレーションシステムにおける大型車の取り扱い法" 土木学会第18回土木計画学研究発表会 計画学研究・講演集. 第18号(2). 193-196 (1995)
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[Publications] 木俣昇: "ペトリネットによる交通流シミュレーションシステムの実用化と応用" 土木学会第18回土木計画学研究発表会 計画学研究・講演集. 第18号(2). 197-200 (1995)
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[Publications] 高山純一: "エキスパートシステムを用いた交差点改良の設計支援システムの構築" 平成7年度土木学会中部支部研究発表会 講演概要集. (1996)
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[Publications] 高山純一: "エキスパートシステムを用いた交差点改良の設計支援システムの構築" 平成7年度土木学会中部支部研究発表会 講演概要集. (1996)459-460
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[Publications] 高山純一: "時間交通量配分モデルを用いた時差出勤の効果分析法" 平成7年度土木学会中部支部研究発表会 講演概要集. 569-570 (1996)
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[Publications] 木俣昇: "ペトリネットによる横断歩行者のミクロシミュレーションに関する基礎的研究" 平成7年度土木学会中部支部研究発表会 講演概要集. 621-622 (1996)