1995 Fiscal Year Annual Research Report
高密度誘導結合プラズマによる金属の窒化・浸炭とバイアス電圧印加効果
Project/Area Number |
06650814
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
明石 和夫 東京理科大学, 理工学部・工業化学科, 教授 (00013095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 滋 東京理科大学, 理工学部・工業化学科, 助教授 (10120164)
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Keywords | 高密度プラズマ / 誘導結合 / 窒化 / 滲炭 / バイアス電圧 / 窒化鉄 / 窒化チタン / 高周波 |
Research Abstract |
試料として純鉄、SUS304,チタンを選び、窒素、水素、アセチレンなどを反応ガスとして、低圧下で形成させた高周波誘導プラズマ中で、試料に直流のバイアス電圧を印加して窒化、浸炭を行い、バイアス電圧の有無、電圧値の大小と正負の方向、基板温度等が反応過程に及ぼす影響を調べた。 厚さ1mmの純鉄試料につき、全圧240mtorrのN_2-H_2(90:10)混合ガスを用いて発生させた高周波(4MHz)誘導プラズマ中で、温度(試料温度)550℃で120min処理した。このときバイアス電圧を印加しないと窒素の拡散層の厚さは約300μmに達するものの、鉄表面近傍には約20μm程度の脱窒素層が現れ、窒化鉄(γ′相)層は生成せず、プラズマ中の水素ラジカルの存在によると推定された。しかし-200Vのバイアスを印加すると窒素の拡散層は約200μm程度に減少するものの、25μm程度の窒化鉄層が出現し、水素ラジカルの脱窒素作用を負バイアス印加による窒素イオンの表面引き込み作用が上回ることが認められた。SUS304の窒化では負バイアス印加による表面硬度の上昇は極めて顕著であった。 チタンの浸炭・窒化については、すでに前年までに負バイアス電圧印加による顕著な促進効果を確認している。今回ははるかに高密度(〜8x10^<13>/cm^3に達する)の高周波(13.56MHz)誘導プラズマを利用した。厚さ0.8mmのチタン試料につき、全圧8-60mtorr,窒素・水素プラズア(H_2:0-7sccm,N_2:18-70sccm)への入力:70Wと350W,時間:120min、基板温度:30-600℃の条件で処理を行った。しかし窒化は進行せず、これに通常の高周波(4MHz)誘導プラズマを複合させたプラズマを用い、かつ負バイアス電圧を印加することにより初めて窒化が進行した。これは大変興味ある現象で、雰囲気中に窒化反応に関与するラジカル種も十分存在するとき、加速イオンによる影響が出現することを意味している。
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