1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650825
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 聰 東北大学, 工学部, 助手 (70133048)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 重厚 東北大学, 工学部, 助教授 (70006055)
|
Keywords | 亜鉛製錬 / 酸化亜鉛 / 鉄還元揮発法 / 還元反応速度 / 混合律速 / 律速過程 / 予備加熱 / 反応モデル |
Research Abstract |
新亜鉛製錬法として研究代表者らが提案している鉄還元揮発法の主反応は,酸化亜鉛の金属鉄による還元反応である.この反応は酸化亜鉛と金属鉄の固体間反応であり,生成するガス相は亜鉛蒸気のみで,真空下においては共存ガス成分がないため極めて容易かつ高効率の凝縮操作が期待される. 今年度は最終年度に当たることから,昨年度の真空下における実験および解析結果を踏まえて,一般に還元反応速度は熱履歴などの影響を受けると考えられるので,予備加熱(Preheating)の効果について調べた.さらに,工業化を考えた場合に真空下での反応は装置などの困難を伴い,コスト的な問題が生じると考えられるので,N_2気流の大気圧下においても実験および速度解析を行い,真空下における実験と比較検討考察した.当該年度に得られた結果をまとめると次のようになる. 1.予備加熱は反応速度を増大,すなわち還元速度を大きく改善することがわかった.この反応の律速過程は真空下において生成物層中をZnガスが透過する過程であると考えられる. 2.窒素気流下の条件ではZnO, FeOの活量を考慮して,化学反応速度定数k_cおよび有効ガス拡散係数D_eを求め、これらの速度パラメータを用いて計算で求めた還元率曲線は実測値をよく表現することができた. 3.常圧の窒素気流下においても真空の場合と比べて温度をわずか50K程度高くすれば真空の場合に匹敵する速度で進行することが明らかとなった.したがって,工業的には真空炉に限ることなく,実行容易なプロセスを構成するよう選択が可能と考えられる.
|