1994 Fiscal Year Annual Research Report
キチナーゼ活性微生物による植物病害のバイオコントロール
Project/Area Number |
06660046
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 助教授 (10151002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 忠明 東京大学, 農学部, 教授 (50261954)
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Keywords | バイオコントロール / キチナーゼ / キチナーゼ遺伝子 / Alteromonas sp. / Erwinia ananas / Serratia marcescens / Botrytis cinerea / シクラメン灰色かび病 |
Research Abstract |
研究I:キチナーゼ遺伝子導入によるバイオコントロール・エージェントの作出 Alteromonas sp.由来のキチナーゼ活性DNA断片(chi:12kbp)を挿入したpBR322(chiI-pBR322)をエレクトロポレーション法でErwinia ananas L2株に導入した結果、3個のキチナーゼ・ポジティブクローン(chiI-pBR322/L2-1,2,3)が得られた。これらのクローンは、chiI-pBR322を導入したE.coli chi-DH5に比べてキチナーゼ活性が強く、in vitro試験では供試したBotrytis属菌およびB.cinereaの薬剤耐性菌に対して強い抑制効果を示した。しかし、これらのクローンは継代中にchiプラスミドを脱落しやすく、活性発現が不安定であることから、エージェントとして不適当であった。そこで、安定したクローンを得るためにchi断片(12kbp)を挿入したカナマイシン耐性マーカーを持つpHSG299およびp22-k2を構築し、デリーションクローンを作製した結果、4個のポジティブクローン〔chiβ10(4.3kb)-pHSG299/L2,chiβ10(4.3kb)-p22-K2/L2,chiα(3.5kb)-pHSG299/L2,chiα(3.5kb)-p22-k2/L2〕が得られた。これらのクローンは継代中にchiプラスミドの脱落が起こらず、安定したキチナーゼ活性を示した。現在、これらの抗菌活性を検定中である。 研究II:Serratia marcescens B2 によるバイオコントロール 通常のシクラメン栽培条件下で、灰色かび病に対するS.marcescens B2菌の抑制効果とその機構について調べた。B2菌処理区で発病指数は無処理区の約40%に低下し、イプロジオン(200ppm)処理区と同等の抑制効果を示した。B2菌処理区におけるB.cinereaの感染過程を観察した結果、胞子発芽の著しい低下がみられ、発病指数と負の相関が認められた。また、B2菌のシクラメンにおける定着密度を調べた結果、本病が最も発生しやすい葉柄基部付近では処理5週間後に1×10^8cfu/ml以上の密度で検出され、B2菌がシクラメン株内で定着可能なことが示唆された。
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[Publications] 伊代住浩幸: "Serratia marcescens B2によるシクラメン灰色かび病のバイオコントロール" 日本植物病理学会報. 60. 332-333 (1994)
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[Publications] 片岡 信幸: "Serratia marcescens B2によるシクラメン萎ちょう病のバイオコントロール" 日本植物病理学会報. 60. 743- (1994)
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[Publications] Kazuyuki Hirayae: "In Vitro Growth Inhibition of Plant Pathogenic Fungi,Botrytis spp.by E.coli Transformed with a Chitinolytic Gene from a Marine Bacterium,Alteromonas sp." Ann.Phytopath.Soc.Japan. 61(in press). (1995)
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[Publications] 伊代住浩幸: "海洋細菌Alteromonas sp.のキチン分解酵素遺伝子を導入したErwinia ananasによるBotrytis cinereaの生育抑制" 日本植物病理学会大会発表予定(1995年4月).
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[Publications] 片岡 信幸: "Serratia marcescens B2のシクラメン栽培土壌での定着性と萎ちょう病に対する防除機構" 日本植物病理学会大会発表予定(1995年4月).