1994 Fiscal Year Annual Research Report
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06660062
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| Research Institution | Utsunomiya University |
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Principal Investigator |
管家 英治 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20007967)
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| Keywords | 家蚕 / フィリッピ腺 / 形態 / 細胞機能 |
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| Research Abstract |
1).フィリッピ腺の機能解明には本組織形態の全体像を明らかにすることが重要と考え、パラフィン切片(厚さ7μm)より、カメラ・ルシダをもちいて腺組織の形態を描画し、ゴム板を切り抜いて接着し、全体像の把握につとめた。フィリイッピ腺は全部糸腺が合体する直前の部位に導管にて左右一体ずつ結合している。導管は前部糸腺とほとんど同様の組織構造を示した。しかし腺組織は全く異なり、葉舌状形態を示している。腺組織の分布は、頭-尾軸としては導管結合部辺りから尾部の方向に伸びて分布し、背-腹軸としては前部糸腺より腹部の方向に、つつみこむように伸長しており、組織全体としては1mm×1mm×1mmの範囲に分布する結果が得られた。この結果からすると、形態は単純とはいいがたく、退化器官とは考えられない形態を示していた。光顕観察では細胞の中央部を分岐核が屈曲伸長し、細胞質の大部分を極めて多くの円形液胞が占有している。現在液胞中の物質について組織化学的に研究をすすめている。以上のフィリッピ腺の形態については、今春の日本蚕糸学会(つくば市)にて発表する。2).5齢幼虫のフィリッピ腺の乾燥重量の測定を行った。起蚕より少しずつ増加し、熟蚕で最大値をとり、1対の腺体重量は3.0×10^<-5>gであった。3).フィリッピ腺の磨砕抽出液について可視光線、UVによる透過または反射による吸収スペクトルを測定した。可視光線に変化はみられなかったが、UVでは400-450nmにおいて吸収の程度のおおきくなる傾向がみられた。4).フィリッピ腺磨砕液のpHを測定した。5齢起蚕から熟蚕まではpH6.5-6.6で微酸性を示したが、上蔟2日めではpH5.8と低下した。5).蛋白質、ポリアミン等の5齢期間における量的変化、そして光顕、電顕による形態学的研究は現在実験遂行中である。
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