1994 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
06660123
|
|---|
| Research Institution | Fukuyama University |
|---|
Principal Investigator |
秦野 琢之 福山大学, 工学部, 助教授 (60198752)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩明 福山大学, 工学部, 助手 (90222299)
福井 作蔵 福山大学, 工学部, 教授 (60013299)
|
|---|
| Keywords | 酵母 / トリグリセリド / 分泌生産 / トリグリセリド結合タンパク質 / Trichosporon sp. |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、微生物による有用油脂の分泌発酵生産の実用化を目指し、あわせて油脂の細胞膜透過(取り込み・排出)の分子機構を解明することにある。本年度は以下の成果を得た。
1.酵母Trichosporon sp.の低細胞比重異株約50株より、トリグリセリド(TG)分泌能強化株(L-JS66株)を選別した。変異株はグルコース基質から培養48時間で約160mgのTGを生産し(対消費基質収率12%)、そのうち145mgを細胞外に分泌した(主な構成脂肪酸はオレイン酸)。L-JS66株によるTGへの基質変換効率および菌体外TG蓄積量は、昨年度分離したL-12株を上回った。なお、基質濃度を高めることで、生産物(TG)の消費を抑制できることがわかった。
2.Trichosporon sp.の培養液中にTG結合タンパク質(TG-BP、分子量約9kDa)が存在することを明らかにした。本菌のTG運搬には水解が判わず、細胞膜壁を介して配位したTG-BPがキャリアー蛋白として機能する可能性が高い。現在TG-BPの機能を解析するとともに精製・単離を急いでいる。
3.TG分泌生産酵母の普遍化を目指し、タイブカルチャー11株について油脂分泌能を調べた。その結果Yarrowia lipolytisa、Trichosporon cutaneumおよびCand ida maltosaに脂肪酸分泌能を有するものが含まれることを示した。菌体内へのTG蓄積能の高いLipomyces starkeyi IFO10381Tに変異導入し、TG分泌株の取得を試みた。TG分泌株は得られなかったものの、脂肪酸分泌を得ることができた。TG分泌変異株の取得は引き続き行う。
|
Research Products
(1 results)
