1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660162
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (50150199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 啓 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10237935)
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Keywords | 植物ポリフェノール / 活性酸素 / 過酸化水素 / 培養細胞 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
本研究の研究代表者はすでにチャイニーズハムスターV79細胞を用いたコロニー形成法により、一定の構造的特徴を持った植物ポリフェノール(カテキンやケルセチンなどのフラボノイド、さらにはカフェ酸エステルなどの機能性抗酸化物質と呼ばれる植物ポリフェノール)が、過酸化水素(H_2O_2)の細胞毒性に対して抑制効果を示すことを見いだしている。本年度は、コロニー形成法という細胞レベルのアッセイ系で抗酸化効果を示した機能性抗酸化物質がDNAレベルでも抑制効果を持つかどうかをアルカリ沈殿法によって検討した。 コンフルエントになったチャイニーズハムスターV79細胞に0〜40μMのH_2O_2を30分間作用させると、DNAの沈殿量がほぼ直線的に100%から約40%まで減少した。次に部分構造が一部だけ異なるポリフェノールとしてカフェ酸エチルエステル(CAEE)とフェルラ酸エステル(FAEE)を予め細胞に取り込ませておき、40μMのH_2O_2を作用させた。この結果、CAEEだけがH_2O_2によって減少したDNAの沈殿量を増加させた。これはCAEEがH_2O_2による細胞内DNA切断を抑制し、FAEEは抑制しなかったことを示している。CAEEはο-dihydroxy構造を、FAEEはο-methoxyphenol構造を持つことから、今回の抑制効果は単純なラジカル消去能に基ずくものではない。このように細胞レベルとDNAレベルにおいて同じ構造活性相関が見られたことはその機構になんらかの共通点があることを示唆している。
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