1994 Fiscal Year Annual Research Report
二次林物質循環系の土壌及び植物根コンパートメントにおける炭素フラックス
Project/Area Number |
06660172
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋本 良二 岩手大学, 農学部, 教授 (80109157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白旗 学 岩手大学, 農学部, 助手 (00235756)
|
Keywords | 二次林生態系 / 物質循環 / 炭素フラックス / コンパートメントモデル / 土壌呼吸 / 植物根呼吸 |
Research Abstract |
1.樹木根系の呼吸に関する生理実験 広葉樹の幼稚樹を対象として成長期の前半と後半に分けて測定を行った。成長期における根系の平均呼吸速度は、前半と後半でそれぞれで約1.9、0.7nmolCO_2g^<-1>s^<-1>であり、同時の測定した葉と幹の呼吸速度は前半でそれぞれ約6.5、2.0、後半で4.4、0.7nmolCO_2g^<-1>s^<-1>であった。固体呼吸量に占める根系呼吸量の比率は、成長期の前半で約80%、後半で約60%と推定された。 2.林地土壌からのCO_2放出量 林齢30年生のスギ人工林において、成長期の後半における林地土壌からのCO_2放出量を測定した。 (1)A_0層を除く鉱質土層および植物根からのCO_2放出速度(molCO_2m^<-2>day^<-1>)は、温度の上昇にともない指数関数的に上昇し、Q_<10>値は約2.2であった。 (2)各測定地点における根系重量は平均860gm^<-2>であり、根径別重量は細根、小径根、中径根の比率でそれぞれ平均して12、18、70%であった。また、根系表面積は2.8m2m^<-2>であり、根径別の比率はそれぞれ64、24、12%であった。 (3)各測定点におけるCO_2放出量の変動は、根系全体の重量や表面積で説明することができなかった。そこで、放出量全体が鉱質土層、細根、中小径根のからの放出量で抗生されるとして、重回帰モデルを用いて解析をおこなったところ、重寄与率が0.5以上となり、回帰定数や回帰係数が有意と判定された。 (4)全CO_2放出量に占める植物根呼吸量と鉱質土層からの放出量の比率は、重回帰モデルよりそれぞれ45%と55%と推定された。
|