1994 Fiscal Year Annual Research Report
ほう素化合物の木材内への固定化とその防腐・防蟻性能への影響
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06660213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 旨象 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (10027162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 剛 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (40230809)
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Keywords | ほう素化合物 / 耐侯操作 / 溶脱抵抗性 / 樹脂 / 防腐性能 / 防蟻性能 / 木材腐朽菌 / シロアリ |
Research Abstract |
ほう酸とフルフリルアルコール、ほう酸とフェノール樹脂の混合処理による防腐・防蟻性能を、耐侯操作(温水中攪拌と乾熱の繰り返し)の回数を変えて検討中である。ほう酸単独処理の耐候操作なしでは、注入量が1.0kg/m^3程度で優れた防腐・防蟻性能が得られること、フルフリルアルコール及びフェノール樹脂の単独処理では、スギ辺材の場合、30%及び10%溶液の注入が必要であることが確認されている。ほう酸注入量を1.0kg/m^3に限定し、フルフリルアルコールおよびフェノール樹脂溶液の濃度を種々変化させて混合注入処理を行った場合、耐侯操作を行っても白色腐朽菌のカワラタケでは単独処理の(1K)/3〜1/2の濃度で腐朽が抑止されるが、褐色腐朽菌のオオウズラタケにはあまり効果が認められないようである。耐侯操作を行わない場合、両菌のほう酸に対する感受性にはあまり相違が認められないので、耐侯操作による木材内でのほう酸の移動と両腐朽型の木材攻撃様式の相違が関係しているのかもしれない。 耐蟻性については、耐侯操作回数の増加にともない食害による試験片の重量減少率が増加するが、死亡率はあまり低下しない。これはほう酸の体内蓄積によるものと思われる。 当初は、ほう酸のほかに、ほう酸2アンモニウム、4ほう酸ナトリウム、8ほう酸ナトリウムも使用する予定であったが、代表者の関与する別の研究で、防腐・防蟻性能や取扱いの上でほう酸がもっとも優れていることが判明したので、ほう酸に焦点を絞り研究を進めて行きたい。
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