1994 Fiscal Year Annual Research Report
高速剪断作用による食物アレルゲンの破壊に関する研究
Project/Area Number |
06660316
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
早川 功 九州大学, 農学部, 助教授 (30038252)
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Keywords | アレルゲン / 剪断破壊 / そばアレルゲン / 代替ミルク / エクストルーダー / 熔融剪断 |
Research Abstract |
先ず最初は、物理的に破壊が容易なさつま芋のデンプンの熔融流動特性と剪断作用について検討した結果、このデンプンは比較的容易に剪断破壊を受け、その一部は還元末満まで分解外が進展していた。 一方、大豆タンパク質は栄養的にも優れた素材でありながらも溶解性の低さに難点を有する為に、熱交換性と捏和特性に優れたエクストルーダーの活用を念頭にタンパク質のアミド基の加水分解を効率的に遂行し、脱アミド化への効果を検討した結果、非常に有効であることが明かになった。従って、タンパク質のカツボキシル基が解難され、荷電が負に導かれるため、タンパク質の高次構造は解かれて、その溶解性は向上するようになった。 またエクストルーダーの熔融温度の上昇は遊離アンモニアを増加させた。更に含水率の増加も遊離アンモンニアを増加させたことから、脱アミド化は確実に生じたものと考えられ、大豆タンパク質の溶解性や表面張力の低下はその機能を改善した。 上記の如く、澱粉分子の物理的切断や大豆タンパク質の脱アミド化は物理的処理による食品機能の創製と言える。そこで最も困難と思われた分子量約8kDaのそばアレルゲンの剪断破壊を試みた結果、170℃、100回処理,又は180℃で75回処理でそばアレルゲンは完全に破壊されていたことをELISA法で確認できた。よって穀物アレルゲンの破壊における高速剪断作用の有効性の一部が実証された。
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Research Products
(1 results)