1994 Fiscal Year Annual Research Report
暖地型牧草の蛋白質画分の生産と蓄積様式及び利用に関する研究
Project/Area Number |
06660340
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
川本 康博 琉球大学, 農学部, 助教授 (90214709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 悦生 琉球大学, 農学部, 教授 (00045098)
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Keywords | 暖地型イネ科牧草 / 暖地型マメ科牧草 / 飼料タンパク質 / サイレ-ジ |
Research Abstract |
本研究は,牧草飼料中の摂取タンパク質分画方法の確立,並びに暖地型牧草の材料草(乾草)とそのサイレ-ジ中のタンパク質画分をそれぞれ比較することを第一の目的とする.次に,暖地型牧草サイレ-ジ調製の発酵品質及び摂取タンパク質の利用性が,開封時及び埋蔵時の加熱処理によりどの様に変化するかを検討した.その結果,材料草の蛋白態窒素(PN)成分はいずれの草種も約90%を示したが,サイレ-ジ調製によって40〜60%に低下し,アンモニア態窒素等の非蛋白態窒素(NPN)割合が増加した.このことは,サイレ-ジ調製によって,易溶解性タンパク質を含む第一胃内での分解性タンパク質が増加し,微生物態タンパク質に変化することを示した.硼酸リン混合液によって抽出した易溶解性窒素の値は第一胃液で抽出した場合と近似した.サイレ-ジ調製によって,易溶解性タンパク質割合は増加するが,特に,イネ科草の増加割合は大きかった.第一胃内での各草種の材料草のタンパク質の分解性は24時間目まで漸次的に増加するのに対し,サイレ-ジではいずれの草種も6時間目までにほぼ溶出し,24時間目までは一定の値を示す傾向であった.非分解性タンパク質のうち,生体内で利用できない不消化タンパク質を分画した結果,マメ科草ではサイレ-ジ調製をした場合でも,材料草との差は認められなかったが,イネ科草ではサイレ-ジすることによって,不消化タンパク質割合は低下するのが認められた.開封後の加熱処理により消化率,有機酸生成量は低下し,pHは上昇する傾向を示した.第一胃内における窒素成分溶出率は,各草種とも僅かに増加した.これにより摂取タンパク質の分解性画分も増加した.易溶解性画分は加熱処理によりマメ科では減少し,イネ科では増加した.しかし,不消化タンパク質割合については,さらに高い加熱温度による変動について追究している.
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