1995 Fiscal Year Annual Research Report
暖地型牧草の蛋白質画分の生産と蓄積様式及び利用に関する研究
Project/Area Number |
06660340
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Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
川本 康博 琉球大学, 農学部, 助教授 (90214709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 悦生 琉球大学, 農学部, 教授 (00045098)
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Keywords | 暖地型イネ科牧草 / 暖地型マメ科牧草 / 飼料タンパク質 / サイレ-ジ / 不消化タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は,牧草飼料中の摂取タンパク質分画方法の確立,並びに暖地型牧草の材料草(乾草)とそのサイレ-ジ中のタンパク質画分をそれぞれ比較することを目的とする.昨年度,反芻家畜による牧草の摂取タンパク質の分画の方法を明らかにした.今年度は昨年度に引続き、開封後2次発酵による発熱を考慮した加熱処理が,暖地型マメ科及びイネ科牧草サイレ-ジの反芻胃内における摂取タンパク質の利用性に及ぼす影響,並びに摂取タンパク質の画分のうちで,不消化タンパク質(窒素成分)の測定方法について,最も適当な方法の検討も併せて行った. 1.75点の試料について,ルーメンバッグによるIn situ法-ペプシン処理後の窒素(N)及びペプシン-セルラーゼ法後のNを測定した結果,これまでの測定方法であるADF処理後のNとの間に各々高い(P<0.0001)正の相関関係を示し,これらの新規導入した方法によっても,不消化窒素成分(タンパク質)の評価ができることが明らかとなった. 2.暖地型マメ科牧草5草種,暖地型イネ科牧草1草種の計6草種を供試草種とし,サイレ-ジ調整を行い,30日間埋蔵後開封して,凍結乾燥後粉砕した試料に蒸留水を加え,40℃と70℃の2水準でそれぞれ2日間保蔵した後,摂取タンパク質分画を行ったところ,加熱温度が高まるに伴い,原料草並びにサイレ-ジ共に第1胃内での乾物消失率はマメ科牧草において顕著に低下し,窒素成分溶出率は各草種において低下する傾向を示した.また,各草種において不消化タンパク質の割合は加熱処理によって高まることを示した.下部消化管で吸収され,体内で利用される真のルーメンバイパスタンパク質の割合は,一部のマメ科牧草種では増加する傾向がみられたが,他の草種では低下を示した. 3.これまでの試験結果から,牧草中の摂取タンパク質の分画の方法と暖地型牧草の摂取タンパク質成分の反芻家畜による利用性を制御する際の基礎的資料としての知見が得られたものと考えられる.
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