1995 Fiscal Year Annual Research Report
モンタージュ画像による下垂体の複数免疫組織化学反応陽性細胞の同定分布解析
Project/Area Number |
06660378
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 隆 京都大学, 農学部, 助手 (70111945)
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Keywords | 下垂体 / 免疫組織化学 / 画像解析 |
Research Abstract |
今年度の研究計画では、ウシならびにヒツジの下垂体において、各種の免疫反応陽性細胞の組み合わせについて画像解析を進めることであった。ヒツジにおいては、PRL,GH,TSH,ACTHの各ホルモンの免疫陽性細胞の組み合わせによる画像解析は終了した。これら各ホルモンに対する免疫反応陽性細胞の単位面積当たりの占有面積比率を分析してみた結果、PRL細胞とGH細胞については、(1)PRL細胞が40%以上で、かつGH細胞も20%以上。(2)PRL細胞が40%以上で、GH細胞は20%以下。(3)PRL細胞が40%以下で、GH細胞は20%以上。(4)PRL細胞が40%以下で、かつGH細胞も20%以下。の4つの存在パターンが示された。(2)のパターンが最も多く見られ、(4)のパターンは最も少ない傾向が示されたが、特に隆起帯(Zona Tuberalis)において顕著なことが示された。結局、PRLとGHの陽性細胞は、集簇的に分布し、基本的には両種の細胞は互いに分布領域を分けあっていることが分かった。しかし、TSH細胞とACTH細胞は、集簇化すること無く個々にPRL,GH陽性細胞の集団間に散在していることが知られ、下垂体全体のどこにおいてもほぼ一定の存在比率(10%前後)のパターンを示した。また、合成画像において、複数の種類の細胞間での近接関係を計測した結果では、概してACTHとTSHの陽性細胞間では1:1、PRLとTSHの陽性細胞間では1:2、PRLとGHの陽性細胞間では2:3、TSHとGHの陽性細胞間では3:2の細胞数比で近接していると推定された。ウシにおいては、PRL,GH,TSH,ACTHの各ホルモンに対する免疫反応陽性細胞の組み合わせで解析を行っているがまだ終了していない。しかし、TSHとLHもしくはFSHの免疫反応陽性細胞の組み合わせ解析では、用いたLH,FSHの抗体が満足のいく反応結果を出せなかったため、解析を中止している。現在、別のLHを使って良好な免疫組織学的結果が得られるかどうか検討しているが、FSHについては、まだ良い抗体が見つかっていない。
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