1994 Fiscal Year Annual Research Report
家畜腫瘍の的確な迅速診断法の開発と診断基準作成に関する研究
Project/Area Number |
06660403
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大塚 宏光 宮崎大学, 農学部, 教授 (50040845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 和幸 宮崎大学, 農学部, 助手 (10223554)
山口 良二 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90150169)
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Keywords | 家畜 / 腫瘍 / PCNA抗体 / 迅速診断 / 細胞診断 |
Research Abstract |
平成6年度は研究の初年度にあたるため、家畜腫瘍材料の集収が主に行なわれた。検索項目については、生検及び剖検により採取された腫瘍組織より、スタンプ標本の作成と細胞診断、組織培養、DNA抽出及びサザンブロット法による癌遺伝子の検索、凍結切片による組織診断、及びメタノールカルノア固定パラフィン切片による確定診断を各々分担して行なっている。これらのデータを総合的に蓄績した上で、診断法の的確性が判断される予定である。また平成6年度には、パラフィン切片を用いて、増殖性細胞のマーカーとして知られるPCNA(増殖性細胞核抗原)抗体の有用性について検討したところ、マイクロウェーブ法などの前処理を加えることにより、本抗体を用いた免疫染色が動物腫瘍にも応用することが可能であることが明らかになり、実際に、「若齢ホルスタインにおける乳腺線維腺腫」例においては、その腫瘍細胞の増殖性の指標として用いられた。本症例については、概に学術雑誌に公表ずみである。その他稀れな腫瘍例として、「イヌの脳の巨細胞性膠芽腫Giant Cell Glioblastoma」を病理学的に詳細に検討し、海外の学術雑誌に概に公表をすませている。また腫瘍組織の培養については、イヌの歯肉腫と乳腺混合腫瘍のCell line化に成巧し、また癌遺伝子の検討については、サザンブロット法により、C-yes-1癌遺伝の増幅が、イヌのリンパ球性白血病に確認された。これらの結果については個別に学術雑誌に投稿・公表した。平成7年度以降は、特に、迅速診断に加わるスタンプ標本による細胞診断と、凍結切片による組織診断にとりくみ、データの蓄績を図りたい。
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[Publications] Otsuka,H(他6名): "Mammary fibroadenoma in a Young Holstein Cow" J.Vet.Med.Sci. 56. 1171-1172 (1994)
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[Publications] Otsuka,H(他5名): "Amplification of a C-yes-1 Related Oncogene in Canine Lymphoid Leukemia" J.Vet.Med Sci. 56. 773-774 (1994)
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[Publications] Uchida,K(他6名): "Giant cell Glioblastoma in the Frontal Cortex of a Dog" Veterinary Pathology. 2(印刷中). (1995)