1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳typeIIサイロキシン5'-脱ヨード酵素cDNAのクローニングとその遺伝子発現
Project/Area Number |
06670125
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 篁 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50051446)
入江 かをる 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50075496)
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Keywords | サイロキシン5'-脱ヨード酵素 / 甲状腺ホルモン代謝 / サイロキシン / トリヨードサイロニン / 脳 / cDNA / クローニング / 遺伝子 |
Research Abstract |
新生児期甲状腺機能低下症では、脳のミエリン形成不全と知能の発達遅滞などが起こることが知られ、甲状腺ホルモンは脳の正常な機能の発達、維持に重要な役割を演じていることは明らかである。本年度の研究では、脳において生理活性が最も高い3,5,3'-triiodothyronine(T_3)の脳内産生に主役を演じているtypeIIサイロキシ(T_4)5'-脱ヨード酵素(D)cDNAの単離を行うために以下の実験を行った。 1.脳typeIIT_45'D cDNAは、最近、他の研究グループにより単離されたtypeI5'DおよびtypeIII5D cDNAと高いホモロジーを有すると考えられる。そこで、これらのcDNAの塩基配列のホモロジーを基に種々のプライマーを設計し、PCR法にて、脳、肝臓、腎臓、胎盤、心臓等のcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、種々の長さのPCR産物を得、これらの内24個のDNA鎖の塩基配列を決定した。 2.さらにこれらのDNA鎖の内の一つは、typeII5'D活性の増加と平行してその発現が増加することがRT-PCR法にて確認された。また、データベースによるホモロジー検索の結果、未知の遺伝子由来の塩基配列であることが明らかになった。すなわち、このDNA鎖はtypeII5'D cDNAの一部分である可能性が高いと考えられる。 現在、動物細胞発現型cDNAクローニングベクター(pcD2)を用いてラット脳cDNAライブラリーの作製を行い、単離されたDNA鎖をプローブとしてスクリーニングを行っている。今後、[^<125>I]bromoacetyl T_4をリガンドとしたT_45'Dのアフィニティラベルおよび酵素活性の測定を指標として完全長のcDNAを単離し、脳におけるT_3産生調節機構を遺伝子レベルで明らかにしたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsukahara F.: "Isolation of putative exons from Down syndrome region 21q22.2 by exon trapping." Japn J Pharmacol. (印刷中). (1995)
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[Publications] Tsukahara F.: "Isolation of putative exons from the Down syndrome region 21q22.2 by using an exon trapping vector pEXT3." 5th International Workshop on Human Chromosome21. (Abstracts). 53 (1994)
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[Publications] 塚原富士子: "ゲノムDNAの塩基配列決定と遺伝子の探索" 東京女子医科大学学会雑誌. (印刷中). (1995)
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[Publications] 塚原富士子: "エクソントラッピング法によるダウン症原因遺伝子の探索" 生化学. 66. 954 (1994)
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[Publications] Muraki T.: "The effect of acute reserpine administration on the uncoupling protein mRNA levels in the mouse brown adipose tissue." Horm Metab Res. 26. 494-495 (1994)
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[Publications] Uchida Y.: "Effect of endothelin on the lipoprotein lipase gene expression in brown adipocytes differentiated in culture." Can J Physiol Pharmacol. 72. 245 (1994)
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[Publications] 塚原富士子(分担): "エクソントラッピング法、バイオマニュアルシリーズ6、ゲノムのマッピング法とシークエンス解析法 榊佳之(編)" 羊土社, 207,(167-176) (1994)
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[Publications] Uchida Y.(分担): "Effect of tumor necrosis factor on the lipoprotein lipase gene expression in brown adipocytes differentiated in culture. in Thermal Balance in Health and Disease Adv Pharmacol Sci,Eds.E.Zeisberger,E.Schonbaum,P.Lomax" Birkhauser, 522,(121-127) (1994)